「みせんバス」運転手を増やそう!
過疎地有償運送の初の講習
NPO於与岐みせん
「みせんバス」の自主運行を始めて今年5月で3年目を迎えるNPO法人・於与岐みせん(上野司理事長)はこのほど、国土交通大臣認定の運転者講習を初めて独自で開いた。
同法人は平成22年5月から、過疎地有償運送事業となる「みせんバス」の運行を開始。車両は10人乗りのワゴン車で、毎週月・水・金曜に同町―市街地間を一日3往復している。
バスに乗車できるのは同法人会員となる同町の住民だけ。昨年4月から今年1月までの10カ月間、1カ月の平均乗客数は90人余りで、バスは特に高齢者らにとって不可欠な交通手段となっている。
道路運送法の施行規則でバスを運転できるのは、第二種免許所持者か、国交大臣が認定した講習を受講した普通免許を持っている人。「みせんバス」は現在、第二種免許を持つ住民3人が交代で運転している。
更に運転できる人を確保しておくため、普通免許を持つ同法人の役員らが市外で開かれる講習を受講してきた。同法人は身近な所で講習が開催できるように昨年11月、国交省へ申請。今年1月29日に認定を受けた。
国交省への登録が必要となる自家用車による有償運送の中には、市町村運営有償運送や福祉有償運送などがあるが、過疎地有償運送の運転者講習を行っている所は全国でほとんどないという。同法人は、過疎地有償運送用の独自のテキストも作成した。
3月20日に行われた1回目の講習には4人が受講。講義では瀧花利朗副理事長が、テキストを基にしながら、関係法令や運転手の心構えなどについて説明した。実技では可動ステップが装備されていることなど、車両の特徴について上野理事長が説明したあと、同町内を一人ひとり運転した。
今回の講習によって、「みせんバス」を運転できる人が16人になった。上野理事長は「バスの運行を続けていくために、今後も講習を開いていきたい」と話していた。