放射線ってどんなもの?
パオで「特別科学教室」
「自然界に存在、伝染せず」
里町の市天文館パオで21日、特別科学教室「放射線とシーベルト」があった。測定器を使いながら放射線とはどんなものなのかを分かりやすく解説した講座で、参加した子どもたちは講師からの問いに答えを予想しながら楽しく学んだ。
講師は、府立舞鶴支援学校教諭の淀井泉さんが務めた。東日本大震災が発生して以降、原発事故や放射能などに関して連日報道されている。こうした中、風評に振り回されることなく、科学的で正しい知識と判断力を身に付けてもらおうと企画した。
まず、測定器で教室の放射線を測ったところ、0・061マイクロシーベルトあることが分かり、放射線は日本中のどこにでも出ていると説明した。御影石は地球の深い所で作られているため、普通の石より放射線が強いと解説。そこで、施設の入り口にある御影石を測ると、教室より倍近い値であることが分かった。
地球の物質を取り入れて育つ野菜などからも放射線は出ており、「大昔から人は放射線を浴びて生活している」と説明した。また、地球全体を見た場合、日本国内で浴びる年間の放射線量は世界平均より少ないという。
このほか、「高い値の放射線が服や体に付いた場合は注意が必要だが、洗い落とせば他人への影響はなく、インフルエンザのように伝染するものではない」ことも述べられた。