クッキーで黒谷和紙のPRを
綾高東分校が農業クラブ学習発表会
楮を食材に研究、販売
農芸化学科の女子生徒たちが提案
綾部高校東分校の生徒たちが1年間、課題研究に取り組んだ成果などを発表する「農業クラブ学習発表会」が13日、並松町の市民センター中央ホールで開かれた。「黒谷和紙で綾部をPRする」ことを研究テーマにした女子生徒たちは、和紙の原料となる楮(こうぞ)を食材に使うという新しい発想で「楮クッキー」を考案。楮の葉の栄養成分も調べて、販売もした。女子生徒たちの研究内容は、綾部の新たな特産品づくりへの提案と言えるものだった。
楮クッキーを考案したのは、農芸化学科で食品製造を専攻している3年生の森脇佑果さんと夏原愛さん、廣瀬真実さん、廣野涼美さんの4人。
同発表会では1、2年生の9人が一人ずつ、「食料・生産」「環境」といった分野ごとに意見発表。グループで課題研究に取り組んだ3年生は、6組が順に成果や課題を述べた。
綾部市外から通学している森脇さんたち4人は、「自分たちが綾部のことを知ろう」と伝統工芸品の黒谷和紙に関心を持った。黒谷町に足を運んで和紙作りの歴史や技法などを学ぶと、黒谷和紙をPRするために、楮を使った加工品の開発にチャレンジした。
クッキー作りには、水洗いした楮の葉を茹でて乾燥させ、製粉機にかけて粉末にしたものを用いた。楮の香りや色が損なわれないよう茹でる時間も考慮したという。
楮の葉の栄養成分を調べるとビタミンCが100㌘当たり29・35㍉グラム含まれ、この量はチンゲンサイより5㍉グラム余り多いことも分かった。
4人の女子生徒たちは楮クッキーの取り組みについて昨夏、京都市で開かれた農業クラブの府連大会でも発表した。更に同校の秋の即売会で製品を販売した際は、クッキーの袋の中に黒谷和紙について説明した紙も添えた。
同発表会の場で森脇さんらは「綾部のことを調べたことで自分たちも成長できた。楮は体にいいことも分かり、いろんなところで使われれば良いと思う」などと話していた。
また、同発表会の中では、同校の分析科学部が環境省から平成24年度「水・土壌環境保全活動功労者表彰」を受けたことに関して、福井真介校長から生徒の代表に表彰状が伝達された。