「太鼓には不思議な力がある」
市身体障害者協会の研修会
るんびに苑の藤理事長が講演
市身体障害者協会(塩見弘之会長)の研修会が10日、青野町の市保健福祉センターであり、参加者たちは社会福祉法人・るんびに苑理事長の藤大慶さん(70)の講演に耳を傾けるなどした。
十倉中町で情緒障害児短期治療施設「るんびに学園」を運営している藤さんは、心に障害を持つ子どもたちが立ち直れるよう、同学園で和太鼓の活動を取り入れていることなどを話した。
藤さんは以前、大阪府茨木市の寺院の住職をしていた時、青少年問題への対応を考える中で、中学生の息子が学校で練習している和太鼓に接した。
息子の友人たちを寺に招いて太鼓の実演を見た際、緩んだ態度の中学生たちが太鼓を打つと別人のように健全な姿に変わった。
「太鼓には不思議な力がある」と確信した藤さんは、昭和61年に和太鼓集団「るんびに太鼓」を創設。平成15年に開設した同学園でも、太鼓を通じて心が傷ついた子どもたちを育んでいる。
同学園が受け入れている子どもたちの大半は親から虐待を受け、親の中にも同様に育ってきた人がいることをを話しながら藤さんは、「るんびに学園で虐待の連鎖を断ち切りたい」と思いを話した。
研修会ではこのほか、物部町にあるグループホーム「ゆうゆう荘」に入所している肢体障害者の井上隆由さんが、グループホームでの生活について体験発表した。