原発事故後、「難民」生活に
元宇宙飛行士・秋山さんが講演
本社後援
福島原発事故で避難生活を送る日本人初の宇宙飛行士・秋山豊寛さんの講演会(綾部農業青年クラブ・宇宙と農と秋山さんの会主催、市・市教委・あやべ市民新聞社など後援)が、1日に並松町の市民センターで開かれ、原発問題や農業に関心を持つ市内外の約300人が訪れた。
秋山さんは、TBS在職中の平成2年に日本人初の宇宙飛行士として宇宙を報道。早期退職後、福島へ移住して「農」の暮らしを実践していたが、先の原発事故により、現在は京都に避難している。
この講演会は、高浜原発や大飯原発から近いこの地域で農業に根差した持続可能な社会を実現するヒントになればと、地元有志メンバーで企画した。
この日、秋山さんは「自分は難民であり、被ばく者でもある」と切り出し、福島で現在も農業が再開できない現状、事故対応や安全基準の公表などをめぐる政府への不信感、ずっと地元で暮らしたいと願う地元住民らの激しい憎しみなどを語った。
また「自分のようなにわか百姓でも、春になると体がうずく」と農業の素晴らしさを語り、「この生活がなくなると思うと、たまらない」と複雑な心境を吐露。原発に頼らない暮らしの必要性や、京都でも原発の危険性に関心を持つことの大切さを訴えた。