国の特別天然記念物コウノトリ舞い降りる
向田町の水田で市民ら目撃
西田武さんがカメラでパチリ
国の特別天然記念物であるコウノトリが7日、綾部に飛来した。この日は、「京丹後市久美浜町でコウノトリの雛(ひな)を3羽確認」という記事が全国紙朝刊で掲載されたばかり。田んぼの中でコウノトリが餌をついばむ様子を目撃した市民らの間では、「幸せを運ぶ鳥」の話題で持ちきりだった。
コウノトリが目撃されたのは、向田町の田んぼ。午前9時前、自転車で通勤途中の女性が、「尾が黒くて見かけない鳥がいる」と気になったという。
現場近くに住む西田武さん(70)は、自宅からカメラを持ってきて、その野鳥の姿をパチリ。かつて兵庫県豊岡市でコウノトリの写真を撮ったことがある仲野弘さん(90)は、以前に撮影した写真と鳥の特徴を見比べたところ、飛来した野鳥がコウノトリであることを確信した。
住民らが見守る中、コウノトリは降り立った田んぼの中で15分程度〝食事〟。そのあと、大きな羽を広げ、東の方向に飛び立っていったそうだ。
平成17年からコウノトリを放鳥している豊岡市の兵庫県立コウノトリの郷公園によると、5月10日現在で野外にいるコウノトリの数は47羽。同公園が放鳥したコウノトリには、それぞれ個体番号とともに異なる組み合わせの色の足環が付けられている。
今回の向田町にやってきたコウノトリの足環の色は、確認できなかった。同公園によると、2年前に綾部市内でコウノトリが飛来した報告が寄せられているという。また、今年4月には舞鶴市岡田地域でコウノトリが確認されている。