「再稼働 急ぐべきではない」
慎重な姿勢くずさず
山田府知事ら大飯原発視察
綾部市と隣接する福井県おおい町にある関西電力大飯原発を12日、山田啓二府知事と嘉田由紀子滋賀県知事が視察した。同原発3、4号機の再稼働をめぐり山田、嘉田両知事は改めて、「安全対策の内容は応急措置という感が強い。本格的な津波対策など恒久的な措置がこれからという状況の中で、再稼働を急ぐべきではない」との考えを示した。
この日はまず、関電が両知事に安全対策について説明。発電所常駐要員の増員や電源車の追加配備など実施済みの対策と併せ、平成27年度に免震事務棟を設置するといった今後の計画も述べた。続いて両知事は昨年10月から運用している空冷式非常用発電装置などを視察。懇談では安全対策についての質疑応答があった。
視察後、記者会見で山田知事は、「福島の原発事故を受けて被害の想定が前とはまるで違うものになった。大飯原発から半径30㌔圏の人口は福井県が7万8千人で、京都府は6万8千人。府民の安心・安全を守らなければならない立場として、大飯原発の問題について関心を持つことをぜひ理解して頂きたい」と語った。
更には、「百歩譲っても夏のピークまでまだ時間がある。一つひとつ検証と説明をし、恒久的な対策がまだの中で稼働するのであれば、それだけの切迫性を国民に説明すべきだ。懇談の中で提案したが、その時に関西電力が言い値で言うのではなく、需給の内容についても第三者的な組織を作ってオープンな形で示すべき」と述べた。
近畿の水源・琵琶湖を預かる嘉田知事は、「万が一の事故があった場合、政府4閣僚(首相など)はどういう政治的責任を負ってもらえるのか。そのためにも現場を見て頂くことをお願いしたい」と注文した。