地域の防災力の向上を!
市消防団「機能別消防団員」誕生
奥上林の19人に任命通知書
昼間に地域で火災が発生した場合、現役の消防団員が現場に到着するまで消防団の資機材を使って初期消火活動などをする「機能別消防団員」の制度を、市消防団(西安榮樹団長)は新たに導入した。1日夜、味方町の市消防庁舎で開かれた発足式では、奥上林分団(渋沢正志分団長)に機能別消防団員として配属される奥上林地区の住民19人に任命通知書が交付された。
全国的に消防団員数が減少する中、団員確保の一環として総務省消防庁は平成17年に機能別消防団員制度を打ち出した。機能別消防団員は、能力や実情に応じて特定の活動にのみ参加できる消防団員。身分は従来の消防団員(基本消防団員)と同じ非常勤の特別職地方公務員となる。
綾部市内の農村部では仕事の関係で平日の昼間に所属する分団の地域にいない消防団員が多く、有事の時の対応が遅れることが懸念されてきた。
そんな中、吉美地区では今年1月、消防団活動を補佐する住民組織として元消防職員や元消防団員らによる「吉美消防支援隊」が立ち上げられた。
しかし、消防団員以外の人が消防車両やポンプ、ホースなどの消防機材を扱えない現状もある。その課題をクリアできる機能別消防団員制度に関して、市消防団は今年3月から検討。特に高齢化が進展し、基本消防団員の確保が困難になっている奥上林地区で、まず制度の導入を決めた。
奥上林地区に住む人に対して6月から7月にかけて団員を募集。消防活動に一定の経験と知識、技術を持つ消防団OBらを中心にした19人が機能別消防団員として任命されることになった。年齢は51~68歳で、平均年齢が60歳。
1日午後7時から行われた発足式では、初めに山崎善也市長が「地域の情報に通じておられるみなさんが、豊富な経験を最大限に生かし、綾部市の安全・安心のために力を貸して頂きたい」とあいさつ。
西安団長から機能別消防団員一人ひとりに任命通知書が手渡されたあと、西安団長は「地元の防災力の向上に貢献して頂くことになるみなさんの熱い思いに期待している。一層の活躍をお願いしたい」と述べた。
市消防団は、市内の他地区でも機能別消防団員制度の導入を今後、検討していくことにしている。