被災地に届け 支援の心
東日本大震災
市が支援対策を協議
市消防職員3人が救助活動
義援金受け付け始まる
11日午後2時46分に発生した三陸沖を震源とする「東北地方太平洋沖地震」による東日本大震災の悲惨な被害状況が明らかになるにつれ、様々な面で事態が深刻化している。マグニチュード9・0という国内観測史上最大の大地震の発生後、直ちに市は11日から市消防本部職員3人を被災地へ派遣している。市は14日午前8時から大震災にかかわる支援対策会議を市役所で開き、今後の対応を協議した。
府からの要請に基づき、「緊急消防援助隊京都府隊」の隊員として宮城県登米市へ派遣されているのは、市消防本部職員の湊秀明さんと村上和史さん、辻公司さんの3人。
3人が同市内の活動拠点施設に到着したのは12日午後10時前。13日から自衛隊ヘリなどで搬送された傷病者らを救急車で病院へ運ぶ活動などに当たっている。
14日午前には交代要員として岸本新吾さんと吉田好弘さん、大野直樹さんの3人が現地へ向けて出発した。
また、市は日本水道協会から要請があった場合に備え、市水道事業所の職員2人と給水車(2㌧)1台を、いつでも派遣できる態勢を整えている。
大地震の発生に伴い、綾部市内でも予定されていた催しが急きょ中止されるなどの影響も出ている。
市青少年育成連絡協議会が12日に里町の市中央公民館で開催予定だった「青少年すこやかフォーラム」は、講演会の講師(茨城大准教授)が交通事情で来綾できなくなり、中止となった。
12日には里町の府中丹文化会館で「いまいゆうぞう・はいだしょうこ ファンタジーコンサート」が予定されていたが、出演者側から11日夜、新幹線の運休など首都圏での交通事情の悪化の影響で「綾部へ行けない」という連絡が府中丹文化事業団へ入った。
同文化事業団はコンサートの延期を決め、職員7人が手分けしてチケット購入者に電話連絡するとともに、広報車で延期を告げて回った。当日も職員らが同会館の駐車場に立ち、来場者への対応に努めた結果、大きな混乱はなかったという。
また、ひよこ合唱団は13日に開催を予定していた発表会を自粛し、中止にした。
市は14日から被災地への義援金の受け付けを始めた。義援金箱は、市役所本庁舎玄関と西庁舎2階の民生児童課、市保健福祉センター(青野町)、市立病院(同町)の計4カ所に設けている。
市内では13日、「綾女ねっと」総会や和木町の「梅まつり」といった各種行事が行われたが、各会場では来場者からの浄財を受け付ける募金箱が置かれた。
13日には、ガールスカウト府第38団が宮代町のスーパー「マツモトあやべ店」前で義援金の募金活動を行った。団員らがテレビでニュースを見て、「何か被災者のためになることをしたい」と急きょ、募金活動に取り組むことにした。同店も賛同し、場所を貸すことを快諾したという。団員たちの呼びかけに、買い物客らが次々に募金に応じていた。