「薬草の森」に400個の竹行燈
奥上林で「冬あかり」
風雨弱まり一瞬の奇跡も
睦寄町の二王公園・薬草の森で15日夕、約400個の竹行燈(あんどん)を灯(とも)す初のイベント「冬あかり」(奥上林地域振興協議会主催)が開かれた。悪天候で中止も危ぶまれる中、夕方からは奇跡的に風雨が弱まり、竹行燈などの幻想的な光が会場に浮かび上がった。
都市農村交流や冬の話題作りとして同協議会が今年初めて計画。第3セクター会社・緑土、旅館・吉水、NPO地球緑化センター(本部・東京都)、綾部市の協力で実現した。
同センターからは、「若葉のふるさと協力隊」(田舎体験の短期プログラム)で19~30歳の大学生と社会人の計5人が、関東や大阪などから参加。12日に綾部入りし、地元住民と交流しながら竹行燈の制作などを行った。
迎えた当日は、強風と雨の悪天候に。それでも関係者らは「水源の輝き」をテーマに考えたレイアウト通りに竹行燈と半球形の「スタードーム」を並べ、天候の回復を待った。
午後5時過ぎからは更に風雨が激しさを増し、いったんは点灯を諦め〝形だけ〟の点灯式を開催。関係者や観客ら100人近くが集まる中、同協議会の橋本正己会長や来賓の山崎善也市長も「残念でした」と肩を落とした。
しかしその後、奇跡的に風雨が弱まり、急いでろうそくに点火。再び風で火が消えるまでの十数分だけ会場全体に火が灯り、喜びの声が上がった。
大阪から参加した協力隊の金梨恵さん(30)は「予定通りにいかない自然の厳しさも体感できた。地域の皆さんがとても温かかった」と大満足の様子。橋本会長も「都会の皆さんに楽しんでもらえて良かった」と喜んでいた。