「むかし話の会」を冊子に
水仙の会 発足10周年を記念して
大嶋文隆さんが40冊を手作り
大島町中自治会の高齢者でつくる「水仙の会」(野間暉生会長)は、今年で発足10周年になるのを記念して、会員たちが大島町の歴史や自然、文化、伝承などについて学んでいる活動「むかし話の会」の20回分の内容を冊子(B5判、125ページ)にまとめた。
「大島町 昔から今へ」と題した冊子は、むかし話の会で主に講師を務めている大嶋文隆さんが40冊を手作り。84歳ながらパソコンで原稿を作成しただけでなく、印刷や製本までの作業を一人で行った。
水仙の会の中には会員たちの趣味のグループがある。その一つ「むかし話クラブ」(大嶋代表)は年4回、地元公会堂で「むかし話の会」を催している。
平成20年10月にスタートした活動は今年2月の勉強会で20回となった。5年間続いている「むかし話の会」は好評で、会員だけでなく他の自治会住民の参加者もあり、毎回20人ほどが集まるそうだ。
大嶋代表は20回の勉強会に用いた資料を年代別に整理して、冊子に載せた。「古代の大島」「綾部九鬼藩と大島」「昭和34年9月『伊勢湾台風』大水害」「江戸期より平成における大島の庄屋、戸長、区長、自治会長の歴代氏名」など54題目に、史料や写真の添付と考察を交えて解説している。
「昔からの言葉(当地方の方言)」のページには、「『いげちない』の意味は『かわいそう』」や「『しゃんとこべえ』は『しっかりしている』」などの方言と意味が紹介されており興味深い。
完成した冊子を手にした野間会長は、「水仙の会の宝物にしたい」と感慨深い思いであるうえ、自身が「中筋子どもクラブ」のスタッフでもあることから、「この冊子に書かれている古いことなどを、子どもたちに伝えていきたい」と話している。