森は自然の「大本」です
松寿苑 創立60周年記念講演会
160人が畠山さんの話を聴講
社会福祉法人・松寿苑(衣川久夫理事長)の創立60周年記念講演会が11日、上野町の大本白梅殿で開かれ、NPO法人「森は海の恋人」の理事長・畠山重篤さん=宮城県気仙沼市=の講演を市民ら約160人が聴いた。
松寿苑は昭和28年に市が養老施設として建設し、大本社会事業団が経営委託を受けて業務を開始。社会福祉法人信光会、社会福祉法人松寿苑へと経営を引き継ぎ、現在は13の介護施設で22種類の介護事業を展開している。
この日、衣川理事長はこれまでの歩みを振り返り「地域の方々が安心して楽しく豊かな暮らしができるよう、より一歩進んだ地域との連携を進めたい」とあいさつ。開会セレモニーでは、尾上流菊宣会の尾上菊有姫さんが祝儀舞として「八千代獅子」、宗教法人大本の信者らが「八雲琴」をそれぞれ披露した。
続いて講演に立った畠山さんは、家業であるカキ養殖の傍ら平成元年から続けている「森は海の恋人運動」(森への植樹活動)を中心に話を展開。
カキの餌となる植物プランクトンは、森から流れる養分によって育つこと、また森を守ることが川の流域の農業や人間の健康にも重要な意味を持つことを、最新の研究成果も交えて説明した。
更に、その活動のことが高校の英語の教科書で紹介されたり、国連から表彰されるなど広がりを見せていることも話しながら、「海、川、人のために森をちゃんとしておくことがいかに重要か、由良川流域の綾部の人たちにも知っていただきたい。森はまさに『大本』なんです」と締めくくった。