三陸沖の魚仕入れて
被災地の復興を応援
味方町の「ひと粒」綾部店
味方町の料理店「ひと粒」綾部店はこのほど、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県・三陸沖から仕入れた魚を使った料理の提供を始めた。同店を経営する「一粒」の由良修一社長(49)は「まだ漁獲量は限られているが、被災地の食材を使って綾部から復興を応援していきたい」と話している。
同社の食材に対する考えは、産地から直接仕入れることを基本にしている。三陸沖の魚は以前から大船渡産のカキや宮古産のワカメなど、年間を通じて仕入れてきた。
震災直後、カキを仕入れている知人を心配して携帯電話に連絡。偶然にも横浜に出張中だったため、電話がつながった。知人は加工場に被害を受けたものの、家族や従業員が無事であることを確認できた。
5月に入って再び連絡したところ、大船渡で競りが8日から再開されることを聞き、「被災地の力になれば」と仕入れを決めた。
今回は、小ぶりだが高級魚のキンキを28匹仕入れて、煮付けで提供。更に宮古からはタラ4匹が入荷し、竜田揚げなどにして出している。
梱包した箱には、仕入れ先から感謝の気持ちが直筆で書かれていた。料理は食材がなくなり次第、終了する。
入荷できた時だけになるが、三陸沖の魚介類を材料にした料理を引き続き提供していく考え。同店は収益の一部を義援金に充てたいとしている。