2011.01.01pickup

「米粉」の普及で「地産地消」を !

JA京都にのくにが製造・販売

米の消費拡大に向けて

女性部が各種メニュー試作

米粉

米粉で作った、上から各種パン、ロールケーキ、シフォンケーキ

 お米と言えば、炊飯器で炊き、そのまま食べるのが一般的。このほか、炊き込みご飯にしたり、おにぎりやチャーハンといった様々な食べ方もあるが最近、「お米パン」という商品をスーパーで目にするようになった。通常、パンの主材料は小麦粉だが、「お米パン」に使用されているのは「米粉」。うるち米を粉にした米粉は、米の消費拡大に向けた食材として今、注目されている。昨年から米粉の製造と販売を始めたJA京都にのくに(仲道俊博組合長)は、米粉の普及にも力を入れている。その取り組みの中で考案された「米粉料理」の一部を紹介してみよう。

 JA京都にのくには昨年6月、組合員からの要望を受け、福知山市新庄の福知山支店内に米粉製粉機を設置した。管内で生産された「丹の国米」を使った米粉の製造は7月から本格的に始められ、米粉は農産物直売所「彩菜館」で400グラムが330円、グルテン入りが370円で販売されている。

 米粉の製造と併せて、同JAの女性部(梅垣貞子部長)は米粉の利用方法などに関する研修を始めた。また、9月には宮代町の本店敷地内にある農産物加工所「夢ちゃん工房」にミキサーや発酵機、オーブンなどの調理器具が整備され、女性部の会員らを対象にしたパン作り教室も行われている。

 女性部の会員らは試行錯誤を繰り返しながら、米粉のオリジナル料理を考案。昨年11月に里町の市中央公民館で開かれた「生活教室フェスタ」では、出席した約250人にアイデア料理の試食を通して、米粉の利用例が紹介された。

 また、同JAは昨年、各種イベントで米粉のPR活動も展開。最も手軽な米粉料理として天ぷらの試食コーナーを設け、サツマイモやカボチャの天ぷらを来場者にふるまった。

 米粉の衣は歯ごたえがあるほか、揚げてから時間がたってもべトつかない。また、通常の天ぷらと比べて揚げる油の減る量が少ないという。つまり、天ぷらに含まれる油が抑えられ、「ヘルシー」ということになる。また、「さきいかの米粉天ぷらは絶品」と言う人もいる。

 女性部の役員らは米粉を使ったパンやケーキなどの商品化に向け、研究を重ねている。「調理パン」や「菓子パン」に用いる具材には、自分たちで生産した小豆や黒大豆、栗といった地元産の農産物を加工したものを使用して試作している。

 その具材の中には、「万願寺甘とうのソフト煮」といったご飯のおかず用に作ったものも。米粉パンは、和食のおかずにも合うそうだ。

 梅垣部長は、「パン作りの勉強会では今まで失敗もあったが、互いにアイデアを出し合いながら、和気あいあいと取り組んでいる。米粉はパン以外に和菓子なども作れる。米粉を使った商品を販売まで持っていきたい」と夢を話している。

 仲道組合長は、「女性部との話し合いの中で昨年、米粉製粉機や加工所などを整備した。更に女性部の会員のみなさんが米粉の良さを実感してもらい、各地域で広めて頂くことによって、『地産地消』につながる」と、女性部の活動に期待している。

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