羊を雑草刈りの助っ人に
紫水ケ丘で安富さんが今春から試み
所有者不在の空き地増
放牧して食べてくれれば…
「マロン」「ミルク」2匹の活躍に期待
|
空き地に羊を放牧し、羊が雑草を食べることによって草刈りをする労力の軽減につなげよう―という試みが、市内で計画されている。場所は農村部ではなく、住宅地である味方町の紫水ケ丘団地。助っ人≠ニなる2匹の羊は現在、同団地に住む安富政治さん(55)宅で飼育されており、春からの出番を待っている。
紫水ケ丘団地には、所有者が地元に住んでいないなどの事情で管理が行き届かず、雑草が生い茂って荒地化した私有地が10カ所余りある。
雑草が生い茂ると、景観が悪い上、夏には蚊(か)などが発生して住民が対策に頭を悩ませている。紫水ケ丘自治会では毎年2回行っている草刈り作業の際、管理者が参加していない私有地部分の草も刈ってきた。
同自治会の会長を務める安富さんは「住民たちの不条理な負担を取り除きたい」と、山口県内のミカン園などで試みられている牛を使った「移動放牧」をヒントにし、羊を活用した除草を思いついた。
安富さんは昨年11月、京丹後市の碇高原牧場から雄と雌各1匹の羊を譲り受けた。自宅の敷地内に鉄パイプで囲った飼育場を造り、羊の雄を「マロン」、雌を「ミルク」と名づけ、主に妻の和代さん(50)が世話をしている。
安富さん宅では犬を1匹飼っているが、羊と犬は仲良く暮らしている。また、羊たちは近所の子どもたちの人気者にもなっているようだ。
羊のえさは、今のところは和代さんが雑草を調達して与えている。和代さんは「羊は食べるペースが遅いので、仕事をまかせても私が草刈りを手伝わないといけないかもしれない」と言いながらも、羊たちの活躍に期待している。
|