「すくすく育って こころとからだ」
豊里保育園 年間通して乾布摩擦が日課
今春から「豊里幼児園」に |
パンツ一丁の裸になった子どもたち。「アンパンマンマーチ」などの曲に合わせ、手にしたタオルで体をこする。いわゆる「乾布摩擦」は、栗町の豊里保育園で15年ほど前から続けられている日課の一つ。
「夏や冬を問わず、裸になることによって子どもたちは風邪を引きにくくなりました」。久木和子園長は乾布摩擦の効用を話す。
豊里保育園が綾部市内で9カ所目の保育園として誕生したのは、昭和51年4月。当時、農村部でも核家族化が進むとともに、女性の社会参加と就労が増える状況下で、住民待望の保育施設だった。
豊里地区に乳幼児を預ける施設がなかったため、子どもを物部町の物部保育園へバス通園させる世帯が増加していた。住民から「地元に保育園を設置してほしい」という要望が高まった。
当時、豊里地区自治会連合会の会長だった田中綾一さん(故人)の強力な指導と青少年健全育成に対する熱意によって、豊里地区の自治会連合会や婦人会などが中心になった委員会を設立し、取り組みを進めた結果、開園に至った。平成20年度までに卒園した園児の数は1219人になる。
「すくすく育って こころとからだ」が同園の年間テーマ。現在、0歳児から5歳児まで合わせて82人が通う同園では、年齢に応じた園児の体力づくりに力を入れている。
4、5歳児は毎年、地元にある高城山や空山への登山に挑戦している。その際、地元の住民が山道を案内するなど、同園の活動をバックアップするとともに園児と地域住民との交流も深めている。
「豊里保育園」は今年3月末で閉園し、4月から幼保一元化の施設「豊里幼児園」として新たなスタートを切る。市内で3番目となる幼児園を運営する社会福祉法人豊里保育園(大槻一幸理事長)は現在、栗町の旧豊里東小学校校庭に園舎の建設を進めている。
久木園長は「子どもの育ちの様子を保護者とともに喜び、共感し合い、子どもを真ん中にして何でも話せる幼児園にしたいと思っています」と話している。
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