自前で木造校舎修理
綾部建築組合が来年1月の解散を前に
「地域に恩返ししたい」
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綾部建築組合(大志万文雄組合長)の組合員たちが18と19の両日、市内5小中学校の木造校舎で扉の戸車やレールの取り替え、屋根の修理といった作業を、自前で用意した資材を使い、無報酬で取り組んだ。
市内の建築職人らで組織する同組合は、昭和36年4月に発足。当初185人いた組合員は年々減少し、現在は21人になっている。その背景の一つとして、伝統的な木造建築に対するニーズが減り、若手職人を育成する場にもなっていた在来工法の建築現場が激減したことがあるという。
現在の組合員の年齢は全員50歳以上で、「高齢のため、もう仕事をやめる」という人も少なくない状況になっている。そこで同組合は今年1月に開いた総会で、来年1月で解散することを決めた。
「この約50年間、市民の方々にお世話になったおかげで、我々は建築という仕事で一家を養うことができた。何か恩返しをしたい」(大志万組合長)。同組合は解散を前に、市内の木造校舎で傷んでいる所の修理をボランティアで行うことにした。
同組合は事前に木造校舎がある各学校を訪れ、修理が必要な場所などをチェック。その結果、小学校が東八田と上林の2校、中学校が何北と東綾、上林の3校で奉仕活動を実施することになった。
18日には上林中と上林小の2校で作業が行われた。うち八津合町の上林中では、床板を支える支柱の取り替えや、雨漏りしていた玄関屋根の修理などに取り組まれた。
現場での作業中、事前に用意していた資材では満足のいく仕上がりが期待できないということで、別の資材を新たに取り寄せるなど、組合員たちは「職人気質」を見せていた。
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