和木町の随岸寺境内にある観音堂の脇にこのほど、消防用の「腕用ポンプ」の展示スペースが整備された。ポンプは同町の消防団が以前使用していたが、長い間、町内の農作業場に放置されていたため、これを見かねた有志が展示スペースを設営した。
腕用ポンプは通称「ガッチャンポンプ」と呼ばれ、木製の箱の中心にあるポンプを2人〜4人で上下させ、水をくみ上げ放水する。
和木町の腕用ポンプは昭和24年に導入されたもので、60年が経過する。導入後は50年ほど前に一度だけ使用したという。
昭和30年代後半から40年代くらいに小型動力ポンプが導入されてからは訓練などの時にも使用されず、専用の倉庫に置かれていた。しかし、平成元年のほ場整備に伴い、この倉庫も取り壊され、それ以降は町内の農作業場の片隅に放置されていたいという。
それを見た、同町の田中利喜司さん(74)が、腕用ポンプを持ち帰り、色を塗り直すなどして修理。同じく佐々木武志さん(64)、久後行雄さん(同)とともに、展示場を作り多くの人に見てもらうことにした。
田中さんは「腕用ポンプをこれからは和木町の宝物の一つとして大切にしていきたい。子どもや若い人たちにも見てもらえれば」と話している。
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「子どもや若者に見てもらえれば・・・」
消防用の「ガッチャンポンプ」
和木町住民有志が展示場作る
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