若者2人が綾部で映画づくり
大学卒業制作の処女作好評、満を持しての第2作
中年男の悲哀をテーマに
10月3日から市内各地で撮影へ
成安造形大卒 大串潤也さん(22)と
福田脩一郎さん(22)
わき役まだ決まらず、男女各1人募集中
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映画の世界での雄飛を目指す2人の若者が、 綾部をロケ地に選び、 近く映画の撮影を開始する。
昨年、 大学の卒業制作で手がけた処女作が好評で、 満を持しての第2作は、
息子との関係を軸に、 中年男の悲哀を突き詰める内容。 10月3日にクランクインし、
市内でのロケは12日までを予定している。
2人は大津市の成安造形大学を昨年卒業した大串潤也さん (22) =守口市=と福田脩一郎さん
(22) =高槻市。 映画館のアルバイトで知り合い、 意気投合した。 映画が好きで、
将来は映画制作の現場で仕事をしたいと願う2人は、 卒業制作で 「はこ男」
というタイトルの作品をハイビジョンカメラを使って制作。 未発表の作品だが、
あるプロダクションのディレクターに見てもらったところ、 高い評価を得たという。
脚本、 監督など、 制作を担当するのは大串さん。 今回の作品のタイトルは
「735円」 で、 主人公は40代前半の、 木材加工業の男。
仕事をすればするほど赤字になるという最悪の経営状態だが、 プライドが邪魔して他の仕事に就くことができない男。 妻と離婚し、 息子からも疎んじられ、 経済的にも追い詰められた男は、 生活保護を申請するが、 健康面に問題がないため断られる。 自殺を試みるも死に切れない男は、 せめてもの存在の拠り所を息子に求め、 会いに出かけるが、 厳しい拒絶に遭う―という内容。
大串さんらスタッフは10月2日に綾部入りし、 鍛治屋町の市里山交流研修センターに撮影拠点を構え、
市内の各所で撮影を行う。 大串さんは綾部をロケ地に選んだ理由を 「景色がきれいで、
交通量などが撮影に適している」 と話す。 完成した作品はコンテストに出すほか、
劇場公開も目指す。
主役の父親と息子のキャストには、 プロダクション 「ビッグワンウエスト」
の所属俳優が決まっているが、 父親が生活保護を申請する窓口の男性係員と、
この映画で象徴的な小道具になるキーホルダーを売る売店の女性販売員の役がまだ決まっておらず、
出演者を募っている。 男性係員の想定年齢は30代から60歳位まで。 女性販売員は30~40代。
連絡は大串さん (080・3133・4242) へ。
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