獣害防止へ府がモデル事業
農地と接する里山に牛の放牧エリア設置
鍛治屋町
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イノシシやシカといった野生動物による農作物への被害の防止策を検討しようと、
府は鍛治屋町で新たなモデル事業を始めた。 この事業は、 農地と接する里山部分に牛の放牧エリアを設けることによって、
人間と野生動物との住み分けを図ろうというもの。 27日には、 府畜産技術センター碇高原牧場
(京丹後市) で飼われていた2頭の黒毛和牛が現地に運ばれ、 飼育が始まった。
「バッファーゾーン」 (緩衝地帯)と呼ばれる放牧地の広さは、 休耕田と隣接する竹林やスギ林など合わせて約3・7ヘクタール。
ゾーンの周囲には牛が逃げ出さないように延長約1・4キロにわたって電気柵が設置されている。
ここで飼育される牛の名前は 「やよい」 (13歳) と 「あいこ」 (11歳) で、 ともに雌。 2頭は休耕田や山の雑草などを食べるほか、 地元の鍛治屋自治会 (山下毅会長) の住民らが米ぬかなどの飼料を牛に与える。
このモデル事業ではバッファーゾーンによる獣害防止の効果を探るのに加え、 伐採整備した竹林に生えるタケノコなどを牛が食べることによって、 牛の成育状況にどんな変化が表れるかも調べる。 このほか、 里山の維持・管理や植生など、 畜産と林業のそれぞれの分野でも研究が行われる。
今年の牛の放牧期間は11月までで、 このモデル事業は5年間にわたって取り組まれる。
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