戦争を手描きで「紙芝居」に
七百石町の神田清美さん(75)
地域のお年寄りらに披露
年代記風にアレンジした大作
「戦争を知らない世代にも見てほしい」
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七百石町で観光果樹園 「カンチャン農園」 を経営する神田清美さん (75)
が8日、 岡安町の岡安公民館で、 手描きの紙芝居を地域のお年寄りたちに披露した。
神田さんが子どものころから経験した戦前、 戦中、 戦後を年代記風にアレンジした大作で、
戦争を知らない世代を親に持つ小・中学生にも、 ぜひ見てもらいたいという。
この紙芝居の会を開いたのは、 岡安町の旧JA施設の一部を借りて地域の高齢者の交流活動を行っているNPO法人・西八田ふれあいサロン(渋谷智美理事長)で、 会場には15人が集まった。
紙芝居のタイトルは 「私の昭和史」。 神田さんが生まれた昭和5年ごろから始まって、
日本が太平洋戦争に敗れ、 進駐軍の兵士が街を闊歩(かっぽ)した戦後で幕を閉じる全30枚の作品だ。
絵を描くことと歴史が大好きという神田さんは今冬、 豪雪で農園に出られない日が続いたため、 紙芝居作りを思い立ち、 昨年12月の中ごろから制作にかかり、 約1カ月で完成させた。 上演は、 この日が3回目。
紙芝居は、 二・二六事件などを機に軍部が台頭し、 日本が国際的に孤立を深める中で、 言論が封殺され、 多くの人が治安維持法違反などで投獄されたことや、 勝ち目が少ないことが分かっていながら日本が真珠湾攻撃に突っ走った背景などを細かく描写。 梅迫駅で出征兵を見送る場面などもあり、 千人針を縫う場面では、 高齢の婦人から 「私もやった」 という声が上がるなど、 紙芝居の世界に引き込まれていた。
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