今月初めから私市町の府道舞鶴綾部福知山線沿いの田んぼにコハクチョウの群れが飛来し、
地元住民たちの間で話題になっている。 綾部で野生のコハクチョウが見られるのは極めて珍しく、
このままこの場所に定着すれば、 3月ごろまで優美なコハクチョウの舞いを見ることができそうだ。
福知山市動物園の二本松俊邦園長 (60) によると、 コハクチョウはシベリアから越冬のために日本へ飛来。
北海道から島根県辺りまで南下し、 田んぼの落ち穂や川の藻などを餌(えさ)にする。
例年は、 福知山市の和久川などで3〜4羽程度が確認されているという。
私市自治会長の森本浩明さん (65) ら住民の話では、 コハクチョウが見つかったのは今月3日ごろ。
初めは動物の鳴き声が聞こえ、 これに気づいた住民が田んぼの中で群れをなしているコハクチョウを確認した。
群れは白色の親鳥と、 昨年5月ごろに生まれたと見られる灰色の幼鳥の家族で、
多い時で数家族、 40羽近くの群れが目撃されている。 二本松園長は、 「通常なら新潟県に多く集まるコハクチョウだが、
今冬の豪雪のため餌が食べられず、 集団で南下してきたのだろう」 と推測。
「綾部でコハクチョウが見つかったと聞いたのは初めてで、 この辺りでこれだけ多くの群れを見られることは、
今後はないかもしれない」 と話す。
コハクチョウの話題は地元だけに留(とど)まらず、 最近はコハクチョウの姿を写真に納めようと多くのカメラマンも撮影に訪れているが、
人間が近づくと警戒して飛び去ってしまうので、 近づき過ぎない配慮が必要になる。
また、 餌付(えづ)けをしたいという人に対し二本松園長は、 「与えるなら、
コハクチョウがいない間に米をばらまいておけば、 朝か夕方に食べに来るかもしれない。
他の動物と違い、 鳥なので餌付けをしても大した影響はないだろう」 と話している。
正月早々、 うれしい話題で持ちきりになっている私市町の住民たちは、 「夕日をバックに、
連なって飛んでいるコハクチョウの姿を見て感動した」 とか、 「こんなことは初めて。
今年は何か良いことがあるのでは」 と喜んでいる。
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