吉美地区の平和と安全を守るため、 地域住民らで結成されたグループ 「地域戦隊・キミレンジャー」。
ステージに現れた悪役を5人のヒーローたちが退治して、 子どもたちに夢と勇気を与えるというアトラクションだが、
昨年は吉美地区だけでなく市内全域に活動の場が広がり、 綾部の子どもたちに大人気のヒーローとして注目を集めている。
吉美地区に住む20代〜60代の有志14人で発足した 「チームKIMI」 が演じるキミレンジャーは、
平成16年10月に行われた高倉神社の秋祭りでデビューした。
当初は祭りを盛り上げるためだけの目的だったが、 その年の吉美地区文化祭に呼ばれて再びステージに立つことになり、
それからも里町自治会のクリスマス会や吉美保育園の誕生会など、 地域で開かれるイベントに度々声が掛かるようになった。
その後、 彼らの活躍はテレビや新聞などマスコミでも紹介され、 出演依頼が増加。
吉美地区内に限られていたステージは徐々に市内全域に広がり、 昨年は西町アイタウンの
「土曜夜の市」 や、 あやべ作業所と綾部共同作業所の 「作業所まつり」、 アスパの
「キミレンジャーショー」 など10回ほどのステージをこなした。
「キミレンジャー」 の名前は 「吉美地区の」 と 「君のための」 の意味を込めて付けられた。
「キミレッド」 「キミブルー」 「キミグリーン」 「キミイエロー」 「キミピンク」
の5人のヒーローで構成され、 レッドは吉美の安全を、 ブルーは生活を、 グリーンは緑を、
イエローは大地を、 ピンクは人々を守るという設定になっている。
現在のチームKIMIのメンバーは地区住民に留(とど)まらず、 役者や音響、
効果音、 声優などを含め二十数人。 ストーリーはメンバーたちが様々な意見を出し合って1つにまとめる。
ステージでは、 ご当地ネタも入れながら、 キミレンジャーが 「ネオブラックデビル」
や 「ブラックレックス」 などの悪役を倒す。 ショーを見に来た子どもたちは、
目を輝かせながら彼らの姿に見入っている。
練習は吉美公民館や市福祉ホールなどでしているが、 メンバーはそれぞれ仕事を持っているため、
ほとんどが夜間。 1回の公演のために15時間ほどの練習をしなければならないが、
代表の藤岡康治さん (32) =桜が丘1丁目=は 「公演が終われば爽快感(そうかいかん)がある」
と語る。 最近は出演依頼が多く、 練習時間などの都合で応こたえられない状況が続いているという。
また、 「子どもたちの夢を壊したくない」 と、 メンバーたちは自分がキミレンジャーのヒーローであることを、
自分の子どもにも内緒にしている。 公演のあとの握手会で、 自分の子どもと握手を交わすこともあるという。
ファンクラブの会員になって入会費1200円を支払えば、 昨年夏までの公演5回分が収録されたDVDと、
缶バッジがもらえる。 ほかに、 西町2丁目のケイタイステーションでは、 キミレンジャーがプリントされたキーホルダーやコップなどのグッズも販売している。
藤岡さんは、 「子どもたちが、 テレビやパソコンの中にしかいないと思っているヒーローを身近に感じられるのは良いこと。
これからも子どもたちに喜んでもらえるように頑張りたい」 と話している。
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