今月初め、 市内で相次いでアライグマが出没した。 場所は民家が建て込む田町と、
川糸町の綾部高校東分校でいずれも市街地。 アライグマはテレビアニメなどの影響で愛らしい動物というイメージがあるが、
日本では新たな法律の施行に伴って既にペットとして飼育している場合は届け出が必要になり、
野外にいるものはすべて「防除」の対象になっている。
田町では7日夜、 親子と思われるアライグマが4匹いることが確認された。
住民の中には自宅のベランダを糞ふんだらけにされたり、 屋根裏に侵入したアライグマが夜ごと動き回る音に不安を抱く人もいた。
一方、 綾部高校東分校では8日朝、 登校してきた生徒が本館玄関前にある桜の木の上に何かの動物がいるのを発見。
顔の表情や尻尾しっぽにしま模様があることから、 アライグマと判明した。 アライグマは高さ約10メートルの所にある枝にじっとしていたが、
その後、 逃げていなくなったという。
アライグマは北米の原産。 ペットとして日本へ持ち込まれたものが野生化して繁殖したことで全国各地で農業被害なども出ている。
アライグマを始め外来の動植物が日本の生態系や人間生活に悪影響を与えるのを防ぐため、
国は外来生物法を今年6月1日に施行した。
この法律では、 「特定外来生物」 として指定した動植物の飼育や栽培、 保管、
運搬、 販売、 譲渡、 輸入、 野外に放つことなどを禁止している。
ただし6月1日までに特定外来生物を飼育している人は許可申請しなければならない。
違反すると、 個人の場合が最高で3年以下の懲役か300万円以下の罰金、 法人の場合は1億円以下の罰金が科せられる。
市農林課によると、 同法で特定外来生物に指定されるようになったアライグマによる農業被害は綾部市内では出ていないという。
市はこれまでアライグマの捕獲許可地域として吉美と志賀郷、 物部、 豊里の4地区を指定してきたが、
今回の市街地での出現を踏まえ、 更にエリアの拡大を検討している。
アライグマの駆除に関する問い合わせは市農林課振興担当 (42・3280代表)
へ。
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