あやべ市民新聞 on web NEWS INDEX & PHOTO NEWS
2005.1.1
楽しいですよ バードカービング

自宅横に工房設けて制作に励む四方義宏さん
「少しでも自然保護に結びつけば・・・」
バードカービング作りに励む四方さん
あやべ観光案内所にある綾部市の鳥・イカル
 酉年(とりどし)にちなみ 「鳥」 に関する話題を―。 様々な野鳥を木で実物大の本物そっくりに作り上げる 「バードカービング」 と呼ばれる彫刻を寺町の四方義宏さん (61) が手掛けている。 駅前通のあやべ観光案内所に置かれている綾部市の鳥・イカルは、 四方さんの作品の一つだ。 定年退職後、 自宅横に工房を設けて本格的にバードカービングに励む四方さんにその魅力を聞くとともに、 このほかの作品を写真で紹介してみよう。

 バードカービングは元々、 カモやガンを模した木彫りの模型 「デコイ」 が起源。 デコイは狩猟用で、 水辺に浮かべて鳥をおびき寄せるために使用されている。 そのうちにカモやガン以外の種類の鳥も制作されるようになり、 国内外で愛好者が増えつつある。

 四方さんは綾部高校卒業後、 京都学芸大学 (現京都教育大学) に事務官として就職。 大学構内で、 古里・綾部で身近にいた野鳥に出合ったのがきっかけでバードウオッチングを楽しむようになった。 そして平成4年にバードカービングの一日体験講座を受講したのを機に、 作品づくりに没頭するようになった。

 京都市内の愛好者グループ 「カービング・フレンズ・京都」 (CFK) に所属。 CFKの作品展にも出品するようにもなった。 平成15年春に綾部に戻ってからは日々、「生涯学習」 として創作に打ち込んでいる。

 四方さんが取り組むバードカービングのことを平成15年12月1日付の本紙で掲載したところ、 「市民や友だちなどから自宅に電話や来訪があり、 多くの町内の人から声をかけて頂いた。 改めて市民新聞の反響の大きさに驚いた」 (四方さん)。

 四方さんに対しては作品の制作依頼が数件寄せられたほか、 昨年の夏には1人の小学生が四方さんに弟子入り。 野鳥の話を一緒に楽しみながら、 小学生は10日間ほど四方さん宅に通い、 夏休みの工作としてハヤブサをこしらえたそうだ。

 このほか、 作品を寺町の老人会や正暦寺の 「萩(はぎ)まつり」 に展示するなど、 1年間、 四方さん自身には様々な出来事があった。

 バードカービングには、 チュペロやジェルトン、 アユースといった外材や、 ホウやカツラなど比較的軟らかく目が細かい木が使われる。 四方さんには鳥の原型を作る際の道具として、 ナイフと彫刻刀を使うというこだわりがある。

  「機械や器具を使えば、 もっと精巧なものが作れると思うが、 木を通して野鳥の温もりを感じさせるようにするため、 手作りこそがバードカービングの最大の魅力」 と四方さんは、 自らの手で彫ることによって木に新たな命を吹き込んでいる。

 四方さんにとって特に愛着がある野鳥はヤマガラ。 寺町の自宅一帯が現在のように住宅が建ち並んでおらず、 田畑が広がっていた子どものころ、 四方さんは庭でヤマガラを放し飼いにしていた。

 その後、 ヤマガラは京都で生活していた時にバードウオッチングを始めるきっかけになったし、 バードカービングで初めて作ったのもヤマガラだった。 そのためかヤマガラを作ると、 「他のものと比べると、 どうしても表情が可愛くなる」 という。

 バードカービングでは鳥を真上や左右から見た 「設計図」 を基にしながら作業に入るが、 「表情がある作品」 を作るためには更に野鳥の観察が重要となる。

 例えば普段見慣れているスズメ。 季節によってスズメは体型に違いがあり、 夏場に比べて冬場は越冬に備えて肥えた感じになっている。
 四方さんは普段から自宅の庭に設けたえさ台にやって来る野鳥を観察したり、 由良川筋でバードウオッチングをするなど、 鳥のしぐさを 「情報収集」 しながら作品づくりに生かしている。

  「自分が納得できるものにするためには、 1カ月に1つを作るのが限界」 と語る四方さん。 現在は、 今年9月に京都市内で開催されるCFKの第10回作品展に出品するシメの制作に取りかかっている。

 かつてよく目にしていた野鳥の姿がなくなった現状を踏まえ、 四方さんは言う。 「たくさんの人がバードカービングに興味を持ってもらうことによって、 自然に親しむとともに、 少しでも自然保護に結びつくのではないでしょうか」。
NEWS INDEX  2005.1.1付
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 (株)緑土がネット使い新事業展開へ
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◎座談会「『婦人会』を語る」
 婦人会組織再生への方策を探る
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  最大要因は環境の変化 上原
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  自治会も組織の見直し始まっている 上原
  分離が衰退化の一因かも 四方
  社会の変化に合わせた改革を!
  男女共同参画の学習の場が必要 四方
  女性の視点から具体的な目標掲げて 久木
  社会が評価してこなかった 久木
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  婦人会不要論を一掃して 四方
◎楽しいですよ バードカービング
 自宅横に工房設けて制作に励む四方義宏さん
 「少しでも自然保護に結びつけば・・・」
◎「私の年賀状」
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 「古材」「丹波」融合/「悠」「遊」「優」テーマ/一番いい銭湯に
 年号に時代の重み/100年以上前の創業者命名/娘の言葉で
◎実家のお雑煮、おせち料理 全国各地の出身者に聴く (3)
◎たまには地図を読むのも楽しいですよ
 地図の歴史と西田好三さん所蔵の古地図紹介
 空間伝達では最も優れた媒体
 古くから人類は様々な地図を作る
 文政年間「日本国群図一覧」も所蔵
 「アヤヘ」「フクチ山」の文字も読み取れる
 昭和17年の「綾部町」
 町役場は上野町、市街地幹線道路は「本町通り」
 「蚕都を以って自負」の記載も
◎地域社会に多大な貢献
 「節目」迎えた市内の事業所
◎お正月テレビ“特番”ガイド