境内のクマザサが腹痛などを取り除くとされ、 毎年、 「土用の丑(うし)」
の日には多くの参拝者が訪れる高倉町の高倉神社 (四方律夫宮司) の境内のササが、
「60年に1度」 とも言われる現象でほとんど枯れてしまっている。 今年の土用の丑は21日で、
この日は恒例の 「天一さんの土用の丑祭」 が催される。 同神社はササを求めて訪れる参拝者のために、
近くの神社からササを調達して授与できるよう準備を進めている。
以仁王(もちひとおう)を祭り、 五穀豊じょうや商売繁盛、 病気平癒などにご利益があるとされている同神社の境内には、
「お笹山(ささやま)」 と呼ばれる場所がある。
ここに生えているクマザサのうち、 特に5枚の葉を付けたササは 「五葉の笹」
とも言われ、 腹が痛い時にこのササで腹をさすったり、 煎(せん)じて飲んだりすれば痛みが治まると言われる。
毎年、 同祭の日には府内だけでなく、 福井県や兵庫県からもこのササを求めて参拝に訪れる人も多い。
ところが今年は、 この 「お笹山」 のクマザサがほとんど枯れてしまった。
四方宮司 (83) =里町=によると、 ササは 「60年に1度、 花を咲かせて枯れる」
とされており、 同神社のクマザサが、 ちょうどその年に当たったという。
しかし、 土用の丑祭は例年と同様に執り行わなければならない。 そこで同神社は
「せっかくお参りしてもらうのだから」 と、 四方宮司が務めている別の神社からササを調達し、
約300人分を確保して参拝者に無料で配布する。
四方宮司は 「こんなことは私が宮司になって初めての経験」 と驚くとともに、
「ササのご利益は変わりません」 と多くの参拝を呼びかけている。
土用の丑祭は午前0時の 「宵宮祭」 で始まり、 同1時からは 「お笹山清祓(せいばつ)祭」、
同9時から 「本殿祭」 が執り行われる。 境内や神社前の広場では名物の 「はらわたもち」
のほか、 地元の各種グループによる飲食模擬店が軒を連ねる。
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60年に1度という現象で「お笹山」ご難
今年は「五葉の笹」が枯れる
21日に「天一さんの土用丑祭」の高倉神社
高倉町
別の神社からササ調達 多くの参拝呼びかける
でも「ササのご利益かわりません」 四方宮司
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