「久々に蚕を見た」と往時を懐かしむ人も
あやべ観光案内所で幼虫約200匹飼育
|
|
かつて綾部は 「蚕都」 と呼ばれ、 蚕業が盛んだったが、 平成12年からは1軒も養蚕農家がなくなった。
そんな中、 駅前通のあやべ観光案内所には9日から、 蚕の幼虫約200匹を入れた飼育箱が置かれている。
来場者の中には 「久々に蚕を見た」 と往時を懐かしむ人もいるそうだ。
綾部市のマスコットには繭をモチーフにした 「まゆピー」 が使われているが、
現在、 生きた蚕を直接見る機会がほとんどないのが現状となっている。
そこで綾部のPRを図る一環として市観光協会 (村上克壽会長) は、 府の機関や民間企業などで養蚕関係の仕事に携わった人たちで作る
「絹素材生産研究会」 (別名=かいこの会、 大嶋文隆会長) の協力を得て、
同案内所の来場者に蚕の飼育の様子を見てもらうコーナーを設けることにした。
飼育されている蚕は6月23日に孵(ふ)化かした5齢の幼虫。 えさとなる桑の葉は同研究会のメンバーが持ち込んでいる。
同研究会によると、 幼虫は今月16日ごろから糸をはいて繭作りを始めることが見込まれている。
綾部で約100年間にわたって培われた養蚕の伝統を継承する活動にも取り組む同研究会は、
「子どもたちに蚕が成長していく様子を観察してもらえる場になれば」 と願っている。
|