「冬虫夏草」見つかる
和木町の谷口和紀さん宅で
昆虫などに寄生し漢方薬でも知られるキノコ
前から関心あったが、
妻が庭で草引き中に偶然
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昆虫やクモなどに寄生するキノコで中国では古くから漢方薬として珍重されながら私たちがほとんど目にすることのない「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」がこのほど、
和木町の谷口和紀さん(55)宅の庭で見つかった。 谷口さんはキノコ類に詳しく、
以前から冬虫夏草に関心を持っていたが、 自分の身近での発見に驚いている。
一般的にキノコは、 植物に寄生して養分を得るものが多い。 冬虫夏草の寄生相手の寄主は、
昆虫ではセミやハエ、 カメムシ、 ハチ、 トンボなど様々で、 寄主により冬虫夏草の種類も異なる。
このため分類体系は確立されておらず、 未知の部分の多いキノコでもある。
谷口さんは、 以前からこのキノコに興味を持っていて、 探すため夫妻で山中に出向いたこともあるが
「どこかにあるはずだが、 発見できなかった」 という。 ところが、 先月27日に妻の幸子さん
(53) が自宅の庭で草引きをしていた際に偶然、 発見した。
谷口さんによると、 この冬虫夏草はセミの幼虫に寄生する 「セミタケ」。
ニイニイゼミの幼虫から発生するタイプで、 キノコ部分はこん棒のような形をしていて高さは4〜5センチ。
日本のほか、 南北アメリカやオーストラリアなどに分布している。
興味を持ちながらこれまで採取できず、 余りにも身近で見つかったことに苦笑する谷口さん。
「胞子の飛ぶ様子なども見てみたい」 といい、 再度、 採取した個所に埋め戻した。
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