現在の位置・・ホーム>>綾部のこの1年>>2000年
わがまち綾部のこの1年〜市民新聞に見る〜
2000年の「この1年」
1月

 【17日】上林川と栗用水路でこのほど、 淡水魚のヌマムツの生息が綾部環境問題研究会 (久後生歩会長) によって確認された。 ヌマムツは本来、 琵琶湖周辺に生息する魚で、 同会では 「アユを放流する際に混じって放たれたのでは」 と推測している。


 【19日】ユダヤ、 キリスト、 イスラエルの三宗教の聖地として世界的に重要な都市であるイスラエルのエルサレム市から 「綾部市と友好都市締結したい」 という話が持ち込まれた。 市は市内の関係団体や市民の意見を聞きながらエルサレム市との交流を慎重に進める方針にしている。
 ※その後、 市は二月九日に駐日イスラエル大使のモシェ・ベンヤアコブ氏らを招いて、 西町一丁目のT・Tビルで友好都市宣言に署名する式典を開いた。



 【31日】採石が敷かれただけのJR綾部駅南側の広場に対し、 利用者らから 「歩きにくい」 などの不満の声が出ている。 現状を見かねた浅巻建設から 「無償で舗装してもよい」 という申し出があり、 不便をかこっていた駅利用者にとって朗報となった。

2月

 【18日】雪や路面凍結もあって、 今年に入ってから市内の交通事故が多発傾向にある。 人身事故の発生件数は前年同期の二倍以上。 けがをした人も三倍弱に達している。 綾部署では、 冬場に車を運転する際に注意を呼びかけている。


 【21日】市内で十五日から十八日まで連続して雪が降り積もり、 老富町で一六五aの積雪量を記録するなどした。 特に奥・中上林地区では 「昭和五十九年以来の大雪」 と住民らが口をそろえるほどの豪雪に見舞われた。


 【25日】口上林地区の農家の協力を得て府が三月三日から三日間の日程で催す 「都市生活者の農村実体験プログラム」 への参加希望者が、 定員の七倍を超す百五十三人に達した。 府の担当者は 「参加費が必要なこともあり当初は人が集まるか心配していただけに予想を上回る結果。 自然志向の人が増えていることもあるだろうが、 このことを人口が減る農村の振興につなげたい」 と話している。

3月

 【3日】西暦二〇〇〇年に綾部駅で会いましょうと二十年前、 綾部高校を卒業する三年生と担任の迫田澄子教諭 (57) =上野町=との間で固い約束が交わされた。 そして約束の日の三月一日正午、 新築なった綾部駅には有給休暇をとって駆けつけた卒業生を含む二十二人が次々と姿を見せ、 恩師と再会。 「 (来てくれるのは) 多くても三人くらいと思っていた」 という迫田教諭を感激させた。


 【15日】位田町の由良川河川敷の竹やぶに数日間にわたって鎖につながれたままだった犬を、 市民らが保護した。 犬は今、 綾部署に 「落とし物」 として預けられているが、 今月末で処分される運命にある。 保護された状況から犬は飼い主に捨てられたものらしく、 保護に携わった市民たちは犬の世話をしてもらえる新たな飼い主を捜している。
 ※この犬は十六日、 飼い主の元に引き取られた。 関係者によると、 犬は二日に飼い主宅から行方不明になっていたらしい。 飼い主宅には本紙の記事を見た人から約十件の連絡が寄せられたほか、 綾部署にも数多くの問い合わせがあった。

4月

 【10日】市内の十二小学校で一斉に入学式が行われた。 うち睦寄町の奥上林小学校 (白藤隆夫校長) では岡島直紀さんただ一人が入学。 二十三人の上級生たちから温かく迎えられた。 同校で一人だけの新入学児童を迎えるのは今年が初めて。 今年度の全校児童数 (二十四人) も開校以来、 最も少ない。


 【12日】行政が所有する公文書などの開示を求める住民側の請求権と、 請求に対する行政側の開示義務を定めた 「情報公開条例」 を京都府内で初めて、 市と市議会が別々に制定した。 議会が独自の条例を定めているのは全国で六自治体だけ。 条例の施行は十月一日。
 ※施行から二カ月が経過した12月8日付では、 市民から制度に基づいて請求があったのは一件だけという記事を本紙で掲載した。


 【28日】日本で初めて鉄道が開業した東京・新橋-横浜間で敷設された鉄道レールが福知山市の福知山鉄道館に展示されている。 このレールは、 本来の役目を終えたあと、 長らく旧綾部駅構内の建物の柱の一部として転用されてきた。 レールの横腹には西暦一八七〇年の製造を示す文字が刻まれており、 日本最古のレールと見られている。

5月

 【8日】多田と高倉、 下八田、 渕垣にまたがる丘陵地に市が総事業費百八億円をかけた住宅・工業団地の造成工事が完了した。 このニュータウンの 「まちびらき祭」 が五、 六の両日に開催され、 両日とも多くの来場者でにぎわった。


 【22日】かつて綾部は 「蚕都」 と呼ばれるほど養蚕が盛んだった。 しかし、 一年間で最も良質の繭を作る 「春蚕」 の飼育に携わる農家が今年、 市内では一軒もなくなった。 少なくとも明治、 大正、 昭和、 平成と続いてきた綾部の蚕業史上、 「春蚕」 が飼育されなかったのは初めて。 「さみしい」 という声が、 これまで蚕業にかかわってきた多くの市民からも聞かれる。


 【29日】不況下にもかかわらず、 市シルバー人材センターは、 仕事の受注件数を約一〇%も伸ばした。 企業などへの地道なPR活動と会員の技能、 知識を高める講習会の積極的な開催などが実を結んだもので、 契約金額も約八百万円増加となる約一億四千万円だった。

6月

 【12日】市制施行五十周年を記念して 「NHKのど自慢」 の公開生放送が里町の府中丹文化会館で行われた。 番組の冒頭には綾部の上林川のアユや黒谷和紙が紹介されたほか、 二十組の出場者が元気よく歌声を披露した。 当日の入場希望者は事前に申し込みが受け付けられたが、 千五十人の当選に対して約七千枚の応募があるなど、 大反響を呼んだ。


 【16日】約七十年前に購入されたドイツ製のピアノの音色がよみがえった。 岡町の綾部高校の音楽準備室でお蔵入り状態だったピアノの修理がこのほど終わり、 十五日にはこのピアノの弾き初めを兼ねたミニコンサートが開かれた。 ピアノは昭和四年、 同校の前身の一つである府立綾部高等女学校に寄贈されたもので、 十年ほど前から傷みがひどく使われなくなっていたが、 綾部高校同窓会の手によって修理が施された。


 【26日】六十五歳以上のお年寄りが人口全体に占める高齢者比率が五四・一%と市内十二地区で最も高い奥上林地区で、 女性住民らを中心とした有志らがボランティア活動として 「高齢者サロン・ミズメ」 の運営母体を立ち上げた。 お年寄りの集いの場を設けることで、 心身とも健康な暮らしをしてもらおうというのが趣旨で、 同サロンがスタートした二十二日には、 八十人余りが故屋岡町の市林業者等健康管理センターに集って会食などを楽しんだ。

7月

 【5日】花火大会のあとの 「あやべ水無月まつり」 を良さ来い踊りで盛り上げよう-と、 このイベントに参加する市内のグループなどが今、 本番に向けての練習に汗を流している。 同まつり実行委員会が今年初めて取り入れたイベントで、 実行委では 「興味のある方はご参加を」 と呼びかけている。
 ※二十八日夜には、 西町アイタウンで多くの参加者が威勢のよい 「あやべ良さ来い」 を披露した。


 【10日】京都縦貫自動車道 (丹波綾部道路) の綾部東インタチェンジ (仮称) が建設される安国寺町の国道27号沿いで、 「道の駅」 の建設構想が進んでいる。 構想での建設予定地は同自動車道の隣接地で、 これを利用して高速道路のサービスエリアとすることも可能性としてはある。 実現すれば、 高速道路の利用者への綾部の情報発信の拠点となると同時に、 市内への経済波及効果にも大きな期待ができる。


 【21日】鍛治屋町の旧豊里西小学校の施設を拠点に、 農業体験や文化活動といった事業を通して都市と農村の住民交流を進めることなどを目的とした新しい組織 「里山ねっと・あやべ」 の設立総会が十九日に開かれた。 市内に数多く残る自然資源を生かす活動に関心のある人や経験者の参加を広く呼びかけている。


 【28日】市制施行五十周年記念事業の一つである「夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」 が二十八日早朝、 川糸町の第一市民グラウンドで市民二千五百人が参加して開かれた。

8月

 【2日】昭和二十五年八月一日、 何鹿郡内の一町六村による合併で綾部市が誕生して半世紀を迎えた。 これを記念する式典が一日、 荒巻禎一府知事や谷垣禎一代議士、 名誉市民の林田悠紀夫氏、 胡正明・常熟市長ら来賓多数が参列して里町の府中丹文化会館で盛大に開かれた。


 【7日】八日に開幕する第八十二回全国高校野球選手権大会に、 小・中学生の時に市内の少年野球チームでプレーをした綾部出身の神内靖君 (二年) が宮崎県代表校の主戦投手として出場する。 市内の野球関係者によると、 綾部で生まれ育った高校生が甲子園の土を踏むのは初めて。 本格的な速球派の左腕投手で、 ヒノキ舞台での活躍が期待されている。


 【9日】民間企業で培ったノウハウを行政で生かしてみませんか-。 市は来春、 土木専門管理職として四十五〜五十歳の技術者一人の採用を予定している。 こうした管理職の採用試験は滋賀県長浜市などで実施されているが、 京都府内の地方自治体では初めてという。
 ※採用試験の受験申し込みには、 市内外から十三人の応募があった。


 【16日】まとまった雨が降らないため著しい水不足に陥っている内久井町の水道未普及地に対して市は、 八月四日から毎週金曜日に給水車を出しているが、 帰省者で人が増える盆期間中の十四日にも給水車を出して飲料水の確保に努めた。 市内では、 七月二十五日朝に二七ミリの雨量を観測したあとは、 おしめり程度の雨しか降っていない。
 ※今夏は、 七、 八月の降水量が六六ミリと平年比の二〇%にとどまったのに加え、 真夏日が続く異常気象となり、 各地で植栽された植物が枯れるなどの被害も出た。

9月

 【1日】昨年春に豊里東、 豊里西小学校の合併によって誕生した豊里小学校 (土田稔校長) の新校舎がこのほど完成。 第二学期が始まった一日には校舎新築の完工式が行われ、 児童を始めとする関係者らが新しい教育拠点の完成を喜び合った。


 【4日】市が市制施行五十周年の記念イベントとして今月二十三日に開催する 「ふるさと再発見ツアー」 の参加者募集を一日から開始したところ、 初日の午前中で定員をオーバーするコースが出るなど市民の人気が高く、 担当課では定員を増やすなどして対応に追われたが、 五つのコースのうち三つがこの日のうちに締め切りとなる盛況ぶりだった。


 【6日】東八田地区を除く市内全域で三日朝、 ごみ拾いなどの清掃活動が一斉に行われた。 約一時間かけて各地で集められたごみは野田町の市清掃工場でまとめられ、 その総量は十・四五トンに達した。 メンバーからは 「拾わなければならないごみの量が、 これだけあることを考えなければならない」 という声も出ていた。


 【25日】日本史の教科書にも登場する、 杉田玄白らが編さんした有名な 「解体新書」 など、 貴重な古い医学書を並べた資料館が本町二丁目の医師、 木道生さん (65) の手で間もなく市街地に完成する。 自宅横に所有する建物を書庫にするため改築中で、 日本だけでなく中国や西洋の古い医学書もどっさりあり、 医学に関心のある人以外の注目も集めそうだ。

10月

 【4日】一人暮らしのお年寄りらに夕食 (一食四百円) を届ける 「配食サービス」 を、 市は二日から市内全域で始めた。 配食希望者は現在二百六人。 うち初日には、 市内三カ所の福祉施設で調理された食事が計八十二人に配達された。


 【13日】 「人・街・里が輝く市民都市・綾部」 を掲げ、 二十一世紀の綾部市のまちづくりの基本的な指針となる 「第四次市総合計画 (四市総) 案」 を、 市から諮問されていた市振興計画審議会 (会長=四方正義・京都短大学長、 四十三人) は十一日、 西町一丁目のT・Tビルで四方八洲男市長に答申した。 全国の地方自治体の中で、 計画策定や審議にコンサルタントなどを入れず、 市民のいわゆる手作りで仕上げた答申は 「極めてまれ」 だという。
 ※この答申を基に市は、 最終的な四市総案を策定し、 十二月市議会に提案した。 市議会で審査を行う特別委員会は十二月二十一、 二十二日に開かれる。


 【23日】綾部商工会議所 (浅巻武夫会頭、 会員事業所数約千社) の創立五十周年記念式典が二十日、 上野町の大本・長生殿で執り行われ、 出席した会員や役職員、 来賓ら約二百七十人が同商工会議所の半世紀の節目を祝った。 式典後には狂言の披露もあった。


 【30日】上杉町の市総合運動公園内に完成した 「あやべ球場」 のオープン記念イベント 「宝くじスポーツフェア・あなたのまちに名球会がやってくる」 が二十九日、 同運動公園で開かれ、 ユニフォーム姿の球児を始め野球ファンや一般市民ら約五千人が来場。 名球会に所属する往年の名選手らによる野球教室や地元チームとのドリームゲームなどを楽しんだ。

11月

 【1日】高齢者や障害者に安心して外出してもらおう|と、 市内の十八〜三十歳の若者で組織する綾部ローターアクトクラブ (永井稔会長、 十七人) など綾部の計四団体が今、 市内にあるトイレの場所や形態などの情報を載せた地図 「トイレマップ」 作りを進めている。 来年三月までに完成させる予定で、 マップは市内全戸への配布も計画。 十月二十九日には、 同クラブ員が市内の各施設を回ってトイレ調査を行うなど、 完成へ向けて着々と準備を進めている。


 【8日】ノコッタ、 ノコッタ! 集中豪雨で由良川が増水した二日、 「流れ橋」 の構造で知られる小貝橋は橋げたを覆う激しい濁流に見舞われたが、 けなげにも持ちこたえた。 すでに市が永久橋として架け替える方向での検討を始め、 現役引退が確実視されるなか、 地元住民の生活に欠かすことのできない存在であり続けてきた小貝橋は、 土俵際で最後の意地ともいうべき 「ふんばり」 を見せつけた。


 【13日】今年度の府中学駅伝競走大会が十二日、 相楽郡南山城村の高山ダム周辺コース (六区間、 二十三キロ) で開かれ、 男子の部 (三十校出場) で綾部中が1時間14分58秒で四年ぶりの優勝を飾って、 近畿大会と全国大会への出場権を獲得した
 ※近畿大会は十二月三日、 大阪の万博記念競技場発着コースであり、 綾部中は1時間14分28秒のタイムで出場三十チーム中七位に入った。 全国大会は二十三日に山口県で開かれる。


 【20日】上野町の綾部幼稚園 (西田愛子園長、 九十七人) の創立百周年を記念する式典が十八日、 同園で園児やPTA会員のほか、 行政や自治会などの関係者約百八十人が出席して盛大に行われた。

12月

 【4日】作曲家の三枝成彰さんらを招いて三日、 里町の府中丹文化会館で第二十一回市民合唱祭が開かれた。 合唱祭は三部構成で、 第二部では市制施行五十周年を記念して市民実行委員会 (吉田藤治会長) によってつくられた 「綾部市民の応援歌」 の発表もあり、 三枝さんの指揮のもと会場全体で新しく誕生した綾部の歌を合唱した。
 ※市民実行委員会は記念事業としてこのほかに、 JR綾部駅の南広場に 「平和のモニュメント」 の設置を予定している。


 【11日】中筋地区で今、 綾部協立病院 (駅前通、 川崎繁院長) の新病院の建設計画が持ち上がっている。 現在は建設用地の取得を進めようとしている段階で、 早ければ平成十四年度内の開院を目指している。 新病院の開院後については、 現在の綾部協立病院は入院治療業務を廃止するものの、 現行の外来診療や在宅看護に対する往診の業務などを継続させたい意向だ。


 【18日】今年五月から分譲している 「あやべ桜が丘団地」 (総区画数四百五十九) の宅地の売買契約区画数が、 十七日でちょうど百区画になった。 この日は、 百区画目の契約者らによってシダレザクラの記念植樹も行われた。