2月3日の夜から4日の明け方にかけて行われている大本さんの節分大祭は、全国各地からお参りに来られる多くの人で毎年賑わいます。大本さんの節分ではどんなことが行われているのかを尋ねてみました。
明治25年の節分の夜、綾部に住んでいた出口直という女の人に神様が乗り移ったといわれ、大本教ができました。だから、大本教では、節分の日を大切な日として盛大にお祝いをします。そして、世界平和や家内安全を願う儀式も行われています。
大本教の節分は「人型(ひとがた)」というものを使います。紙でできた人間をかたどった人型に名前、住所、年齢を書き、1年間の罪や病気などを代わりに背負ってもらいます。これをお祓いし、新しい年が危険や災害にあうことなく幸せであるように祈って由良川に流し清めます。
人型は日本国内だけではなく、アジア、アメリカ、ヨーロッパなどからも寄せられ、毎年数百万枚にも達します。
また、4日の午前3時頃からは豆まきが行われます。豆まきに使われる豆は一般では炒った豆が使われていますが、大本教では生豆をまきます。炒った豆だと芽も出ないし花も咲かないが、生の豆だと芽が出て花が咲くからだそうです。
みなさんは豆をまく時に「鬼はー外、福はー内」って言いいますよね。でも、大本教では「鬼は内、福は内」と言いながらまきます。これには2つの理由があります。
鬼という言葉はもともと、隠れて見えないという意味の「穏」(オン)というところから来ています。隠れた存在こそ親神さま。大本教では親神さまを祭っているので「神さま来て下さい」とお迎えするという考え方から「鬼は内」と言っています。「鬼は内」と言う所はほかにも日本の各地にたくさんあります。
2つ目は昔、綾部を治めていたのは「九鬼」のお殿様でした。名前に鬼の文字があるので「鬼は外」と言うのを遠慮して、綾部では昔から「鬼は外」とは言わなかったそうです。
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