今年は下村脩(化学)、南部陽一郎(物理学)、益川敏英(同)、小林誠(同)の4人の日本人が受賞して話題になっているノーベル賞。この賞ってどんな賞なんでしょうか。
スウェーデン人のアルフレッド・ベルナルド・ノーベルは、機雷を製造する父親の仕事を手伝っていました。爆発しやすい物質を持ち運びの途中に爆発しにくくすることに成功し、これをダイナマイトと名づけました。
ダイナマイトが出来たことで、トンネル工事が早く安心に出来るようになり、ノーベルには、莫大(ばくだい)な財産が出来ました。でも、ダイナマイトが戦争などの良くないことに使われるようになったことをとても悲しみました。
そこで、ダイナマイトでもうかったお金で基金を設立し、その利息で人類のために貢献した人に賞を与えることを遺言に残しました。これがノーベル賞です。
1901年に物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の5分野で設立され、1969年に経済学(スウェーデン中央銀行賞)が加えられました。今では国際的に最も注目される賞になりました。
全世界の専門家が推薦した発見や発明を、スウェーデン科学アカデミーなどが極秘で1年前から調査して決められるそうです。この賞の対象の条件はたった一つ「生きている人に与える」ということだけです。
日本では、湯川秀樹(物理学)、朝永振一郎(同)、川端康成(文学)、江崎玲於奈(物理学)、佐藤栄作(平和)、福井謙一(化学)、利根川進(生理学・医学)、大江健三郎(文学)、白川英樹(化学)、野依良治(同)、小柴昌俊(物理学)、田中耕一(化学)に、今年の4人を加えると、16人が受賞しています。
賞に数学賞がないのは、ノーベルが若い頃結婚したいと思っていた女性が知り合いの数学者と結婚をしたからだという説があります。
賞が創設されて107年の間には700人以上の人や団体が受賞しています。その中には2回受賞した人や親子、兄弟、夫婦で受賞した人もあります。キュリー夫人は親子でも夫婦でも受賞しています。すごいですね。
また、発見や開発をしてから55年後に受賞が決まったケースもあれば、1年後に受賞したケースもあります。
一番若い受賞者はオーストラリアのローレンス・ブラッグ(物理学)で、1915年に25歳で受賞しています。最年長は今回の南部さんを含めて4人で、87歳で受賞しました。
授賞式はノーベルの命日である12月10日にストックホルムなどで行われ、式のあとのパーティーで希望する人は更なる躍進を願って「カエル跳び」をすることがならわしになっているんだそうです。
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