もうすぐ新しい年を迎えます。 12月31日の夜、 11時を過ぎるころになるとお寺では除夜の鐘が突かれます。 この除夜の鐘について、 市仏教会会長の黒川泰信さん(八津合町、 上林禅寺住職)に尋ねました。
除夜の鐘の中の「夜」 とは暗闇、 真っ暗で真実の姿が何も見えない状態を表しています。
この夜を除くことを「除夜」 といいます。
108あるといわれている人間の煩悩(汚れた心や苦しむ心、 迷う心)を1年の最後に一つ一つ打ち消して清らかな心で新しい年を迎えるために突く鐘が除夜の鐘です。 だから除夜の鐘は煩悩の数と同じ108回かい突くんだそうです。
「みなさんはお母さんを困らせないようにしようとか、 勉強を頑張ろうなどの覚悟を新たにして除夜の鐘を突き、 新年を迎えるのもいいと思います」 と黒川さん。
除夜の鐘は中国から伝わってきて鎌倉時代から始まりました。 最初は朝と夕方に108回突いていたのですが、 室町時代に大晦日だけになり、 江戸時代には多くのお寺で突くようになりました。
どこの寺も12月31日の午後11時過ぎから突き始め、 終わるのは元日の午前1時過ぎ。 神様や仏様を尊敬し礼を尽くす気持ちでお寺に行き、 鐘を突く前と突き終わったときには合掌しましょう。
「祈りは大事なこと。 自分の心を向上させるための祈り、 希望に近づくために努力することを念じ続けることで自分を高めてください。 心静かに1年を振り返り、 新しい年への希望と決意を込めて除夜の鐘を突いてください」 と黒川さんは話してくれました。
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