| 
              
                
                  |  
 
 丹波竜の発掘現場
 
 
 |  ロマン広がる恐竜の時代
 肋骨、尾椎など相次ぎ化石発見
 
 先日、兵庫県篠山市で国内最古級の前期白亜紀(約1億4500万年〜9960万年前)のほ乳類の骨の化石が発掘されたとの報道があった。発掘現場を訪ねようと調べてみたが、現地を特定する情報は全くない。手がかりを期待して、同じ篠山層群で発見された丹波竜の発掘地・丹波市山南町に行ってみた。
 
 砂岩や礫岩(れきがん)、泥岩の層が斜めになり、所々に断層が走る急斜面の川代峡谷が現場。梅雨で水かさの増した篠山川はゴウゴウと音を立てている。危険回避と現場保存のため“その場”には立てない。
 
 見学場所への入り口にはボランティアの方がいて「よう来てくれた。説明するでぇ」の雰囲気全開で、熱の入ったトークが始まる。
 
 平成18年8月に恐竜の肋骨(ろっこつ)や尾椎(びつい)が発見されて以来、脳函(のうかん)や血道弓など数多くの化石が発掘されている。恐竜が倒れた姿に近い形で発見されたのは日本では初めて。発掘された恐竜は、ティタノサウルス類の新種の可能性があると考えられている。
 
 話を聞いているうちに気の遠くなるようなはるか昔、20メートルを超える恐竜たちが砂煙を立てながらズシンズシンと歩きまわっていたのかと思うと不思議な感覚に陥った。
 
 恐竜の背中の傍らに脳函があったのは“イナバウアー”をしていたのかもしれない。あるいは2匹いた可能性も。離れた所に歯があったのは、かぶりついた餌(えさ)である生き物の力が強くて歯が抜け、逃げる途中で歯が落ちたのかもしれない。
 
 「こうやったんかもしれん、ああやったんやないやろかといろんな風に想像をし、思いを巡らせるところにロマンがあり、化石発掘の楽しさがある」とボランティアの方。
 
 篠山市の発掘現場のことを尋ねてみたが盗掘の恐れがあること、学者さんや発見者の思惑、学術的な理由で公表されておらず、このボランティアの方ですらも分からないとのことだった。
 
 山南町内には、化石の展示や化石のクリーニング作業を行っている丹波竜化石工房がある。また、奇岩いっぱいの峡谷でのキャンプが楽しめる川代公園、漢方風呂や薬膳料理が満喫できる薬草薬樹公園リフレッシュ館などもある。
 
 ルート
 舞鶴若狭自動車道を丹南篠山口ICで下り右折。1つ目の信号を左折、約3・5キロ先の味間新交差点を左折すると、5キロ先に看板があり、ここを左折すると駐車場。そこから徒歩で1キロ足らず。
 
 
 
 |