いろんな体験や発見ができる 篠山チルドレンズミュージアム

子どもたちの「夢のとりで」

閉校になった中学校施設を活用


　篠山市で閉校になった中学校が、 子どものための遊び体験型施設 「子どもたちの夢のとりで」 として生まれ変わった。

　低い山を背にした木造平屋建ての校舎。 かつてのグラウンドには芝生が植えられ、 砂場や遊具も備わっている。 一望するだけで懐かしいようなホッとするような気持ちになる景色。

　ゲートをくぐると、 この施設一番の人気を誇る、 たっぷりのシャボン玉液の入った石の器がある 「魔法の庭」。 いろんな大きさの枠があり、 一つを手にして空中に振り上げてみるが、 水しぶきが顔にかかって失敗。

　 「今度こそ」 と本気になる。 出来たら出来たで、 大きいのや長いのがいいとか、 もっと高くなどと、 仕事を忘れてしばらく遊んでしまった。

　旧校舎の 「子どもグラフィティ棟」 に入る。 回転寿司（ずし）のごとく、 座っているだけで前に本物のおもちゃが回ってくる 「くるくるグラフィティ」。 昭和初期のものもあり、 懐かしがるお父さんやお母さん、 おじいちゃんやおばあちゃんも多いとか。

　苦手な食べ物は紙に書いてお供えしてしまおうという 「食わず嫌い神社」。 世界のおもちゃや遊び、 昔の遊びが体験できる 「子ども横丁」。

　中国やケニアなどの民族衣装、 宇宙飛行士の服やドレス、 阪神タイガースのハッピなど、 将来の自分やいつもとは違う自分をイメージしていろんな衣装が着てみられる部屋などもある。

　次に、 自分が動かすことによって空気の流れや磁石の動き、 雪の結晶、 雲海ができる様子などを見られる装置が並んだ通路を進む。

　増設されたワークショップ棟には、 ５千冊の絵本や紙芝居、 赤ちゃんも安心して遊べる軟らかいマットのコーナーのある絵本の部屋。 料理、 パン、 山で拾った小枝や木の実を使っての作品などが作れるスペース。

　無農薬野菜、 アイガモ農法での米作りもしている。 10月末には収穫祭が行われ、 芋掘りや餅（もち）つきをした。 11月には、 身の回りにある秋の自然の色を写しての色図鑑作りや、 コンサート、 リース作り、 ボランティアと木の葉の工作、 切り紙飛行機を作って遊ぶ会などが予定されている。

　昔のことや外国の文化を学んだり、 自然や科学の不思議に触れたり、 自分の手で物を作ったり、 体を使って遊んだり、 頭をひねって考えたりと、 全身で楽しめる施設だ。

　子どもたちはみな、 退屈している時間もジッとしている暇もないといった様子。 行く先々で好奇心や驚き、 感動、 喜びに目を輝かせていた。

ルート
　国道９号の瑞穂町和田の交差点から同１７３号に入り、 大阪方向へ。 同交差点からおよそ13キロ。

メモ
　開館時間＝午前９時半〜午後４時半▽休館日＝月、 火曜日。 12月27日〜１月１日は休館。 １月２日、 ３日は開館、 ４日は休館▽入館料＝大人５００円、 小・中学生３００円、 幼児１００円。 団体（20人以上）割引あり。 問い合わせは、 ０７９５・54・６０００。