公苑内の大ホール
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能楽に親しむ絶好のチャンス
今月29日 特設舞台で体験会と公演
緑豊かな自然や伝統文化など、 地域の特性を生かしながら人と自然と文化の調和した地域づくりをしようと提案された
「丹波の森構想」。 丹波の森公苑はその一環として平成8年4月、 兵庫県氷上郡柏原町に設立された。
この施設では、 自然とふれあいながら地域や世代を超えて集い、 学び、 語り、
活動し、 交流する。
広い芝生広場。 四季の変化や実のなる木が自生し、 東屋(あずまや)や遊歩道が整備された里山。
250人収容の多目的ホール。 大ホールは800人が収容できる。
創作工房では木工や紙すき、 料理、 フラワーアレンジメントなどの教室やサークル活動、
パーティーなどができる。 ほかにも、 冷蔵庫や寝具など生活に必要なものがそろっていて滞在可能な絵画アトリエ、
彫刻アトリエなどもある。
縁あって山口県宇部市から2年前に譲り受けた特設能舞台を同公苑の大ホールに設置し、
今月29日に能楽が催されることになった。
能はユネスコ世界無形遺産第1回認定になった日本が誇る文化。 とはいうものの、
接する機会が少なくて難しく、 訳の分からないものという意識が強いと、 どうしてもなじみが薄くなる。
今回の公演は2部構成にし、 日本の伝統文化である能の世界を理解し、 身近に感じてもらおうと、
第1部では 「能楽ワークショップ」 が開催される。
能楽の世界を体験しませんか―と、 能の基本である謡や仕舞の実演、 音楽に使われる楽器についての話と演奏、
能面や能装束の解説が行われる。
その後、 来場者の中の何人かに囃子(はやし)の鼓を打つ▽太鼓を叩たたく▽謡を謡う―といった能の体験をしてもらえる企画が予定されている。
「能楽を体験できるなんて機会は滅多にありません。 初めての方、 小、 中、
高の学生さんはぜひ、 この機会に能に触れて下さい」 と、 氷上郡謡曲同好会会長で丹波の森公苑能実行委員会の会長でもある田中陽造さんは熱い口調で語る。
第2部は舞囃子、 養老・水波之伝(すいはのでん)。 狂言 「清水」、 能楽
「松風」 が演じられる。
事務局の小田恵美子さんは 「この世を離れた幽玄の世界、 雅(みやび)」
が能の素晴らしさだと言うが、 その幽玄の世界とやらが何なのか、 記者には分からない。
でも、 何も分からないまま能や狂言を鑑賞し、 装束の美しさ、 所作の持つ由縁、
鼓の音色、 目線や指先までに注がれた細やかな神経に感動し、 本物に接した満足感、
生の迫力は存分に味わった記憶がある。
せっかくのチャンス。 お薦めします。
ルート
国道9号から175号に入り、 氷上町稲継の交差点を左折しておよそ3キロ。
所々に案内板がある。
メモ
能楽公演の第1部は10時半開場、 11時開演。 入場無料。 第2部は12時半開場、
13時半開演。 一般4千円、 中高生2千円。 問い合わせは実行委員会事務局 (丹波新聞社内、
0795・72・0530) まで。
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