府立医大生ら市立病院で実習
上林での地域医療交流会にも参加
高齢者と話して過疎地の現状も知る
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府立医科大学の医学生12人と看護学生11人が1日から5日まで、青野町の市立病院(白方秀二院長)で地域医療とチーム医療の実習を行っている。3日には八津合町の市観光センターで開かれた地元住民との「地域医療交流会」に参加。学生たちは来場した高齢者らと話をする中で、過疎地域が抱える様々な医療問題の現状などを知った。
府立医大は、大学での講義や附属病院での実習などを通して医師や看護師を目指している学生を医療者として使命感を持った人材に養成するため、昨年から府北部にある教育指定病院での実習を採り入れている。
今年、学生を受け入れた病院は5つ。市立病院は院内での実習に加え、市民から生の声を聞くことなどを通して綾部市での医療の実情を知ってもらおうと、地域医療交流会を実習に組み入れた。昨年は同様の交流会を奥上林地区で行い、今年は中上林地区の住民を対象にした。
交流会には住民約60人が参加。府立医大の丸中良典教授のあいさつに続き、市立病院循環器内科の河野泰之・主任医長が高血圧について講演した。高血圧が脳卒中や動脈硬化などの病気の要因になることや、高血圧には「早朝」「白衣」「仮面」の種類があることを解説した。特に普段の血圧は高いが、病院で測ると下がる「仮面高血圧」への注意が呼びかけられた。
このあと、学生たちは住民の血圧を測定しながら、健康上の悩みや不安などを聞き取った。意見交換会では学生側から、中上林診療所での診察が週3回から2回に減ったことや、診察の待ち時間が長いこと、市街地の病院への通院に時間がかかるといった声が住民からあったことを報告。
学生からは「高齢者のみなさんが元気でいらっしゃるのにびっくりした」「綾部に来た時、最初は嫌だったが、今は京都に帰りたくない気持ち」といった意見も出ていた。
学生たちは4日午後、田野町の松寿苑の施設見学や交流会にも参加した。
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