現在の位置・・ホーム>>子どものページ>>しんぶん教室>>太鼓踊・太刀振
太鼓踊
太刀振



子孫繁栄や厄除け
願う民俗芸能

あやべっ子 しんぶん教室
 10月といえば秋祭り。 綾部市内の神社でもそれぞれに伝統のある祭りが行われます。
太鼓踊の奉納
 そんな中で、 昭和41年に綾部市の無形民俗文化財第1号に指定され、 60年には京都府の無形民俗文化財にも登録されたのが太鼓踊と太刀振で、 中筋町にある島萬神社の秋祭りで、 約400年前から奉納されている民俗芸能です。どんな民俗芸能なのか、 島萬神社の宮司、 渋谷計二さん(78)=中筋町=に教えてもらいました。

 1200年以上の歴史があるとされている島萬神社は、 当時流行していた疫病にかかった人が治って元気になることや流行が治まることを祈って天平9年(737)に再建されたと伝えられています。

 天岩戸(あまのいわと)に隠れた神様のお話を知っていますか? そのお話の中で岩の中に隠れた神様が天照大神(あまてらすおおみかみ)で、 隠れる原因を作ったのが天照大神の弟の須佐之男命(すさのおのみこと)。 この神社にはその須佐之男命が祭られています。

 太鼓踊は主に男女の恋愛感情を表現し、 地域や子孫繁栄の願いが込められています。

 着物に紺がすりのタッツケ (筒の部分が太く、 裾口の狭い袴)、 白たすき、 赤い腰紐(こしひも)、 陣笠(じんがさ)の装束 (儀式などの時に着る決まった着物) で、 右手に軍配(ぐんばい)、 左手に芭蕉(ばしょう)と呼ばれる2メートルほどの竹を持った大人と3人の子どもが、 畳1枚の範囲を踊ります。

 子どもたちが腰につけた太鼓を打つテンテコテンの調子に特徴があるので、 太鼓踊は 「テンテコテン」 とも呼ばれています。

 太刀で疫病を振り払う太刀振には、 厄除(よ)けや雨乞いの意味も込められているそうです。

 装束は太鼓踊と同じで、 須佐之男命が大蛇(おろち)退治をした故事 (昔あった事柄) に関係づけて 「オンヤー」 と掛け声を掛けるので 「オンヤー」 とも言われています。

 太刀はすべて真剣が使われているので、 怪我をしないように注意をしながら扱っておられるそうです。

 太鼓踊や太刀振に参加する中筋町の小・中学生は、 お祭りの1カ月前から練習を始めます。 伝統を守っていく大切さを学びながら踊りの稽古(けいこ)を一生懸命しているそうです。

 こうして伝統や文化を受け継いでいってくれる子どもたちに、 町内の人も宮司さんもとても感謝しておられました。
紙面掲載日:2006年9月22日付