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水無月
大祭



元々は水に対する
感謝のお祭り


あやべっ子 しんぶん教室
祝詞を上げる出口栄二宮司(平成17年写す) 綾部に夏が来たことを感じさせてくれる「水無月(みなつき)さん」がやってきました。花火大会、万灯(まんとう)流し、夜店と、楽しいことがたくさんあります。

 ところで、「水無月さん」って何なのか知っていますか? 水無月さんは、正式には「水無月大祭」という熊野新宮神社(並松町)の祭りです。古くからこの水無月大祭を執り行なってきた熊野新宮神社の総代(みんなの代表として神社の管理や運営をしたり、行事の世話をする役)の下西哲朗(しもにしてつろう)さんに尋ねました。

 昔、水はけがれのない尊いもので罪や醜いものを取り払い、清めるものとされていました。また、命を育むうえで欠かすことのできないもの、自然や人間にとっては大切なものでもあります。

 苗を植えた田んぼの水を豊かにし、梅雨や台風などによる洪水を防ぎ、秋の豊作を祈る「水無月大祭」が、水に対する感謝や祈りを込めて行われ、古くから多くの人たちに親しまれてきました。

 大祭がいつ始まったかははっきり分かってはいません。でも、延享(えんきょう)2年(1745)に、綾部藩を見回りに来た江戸幕府の役人が「熊野新宮神社で盛大な水無月大祭が行われていた」と記録に残しているので、260年以上も続いていると考えられているそうです。

 長い間6月28日に行われていましたが、明治5年に暦が太陽暦に変わってからは7月28日になりました。

 「水無月さん」というと花火大会や万灯流しばかりを思い浮かべますが、熊野新宮神社では宮司による祭典が行われています。お供え物をし、神様への挨拶や日ごろお世話になっているお礼、お祓いをし、世界の平和や安全、綾部市民の幸せなどが祈られます。

 今の花火大会や万灯流しは、できるだけ多くの人が楽しめるようにと、7月下旬の土曜に行われるようになりました。でも、熊野新宮神社の大切なお祭りは7月28日に行われています。

 今年の「水無月さん」には、水の大切さを考えたり、水に感謝する気持ちを持ってみて下さい。
紙面掲載日:2006年7月28日付