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ちょっと ドライブ
浦嶋神社与謝郡伊根町
2008年(平成20)10月12日掲載



浦嶋神社

浦島太郎伝説の史料現存

毎年11月には絵巻物の公開も

 有名な昔話の一つ、浦島太郎伝説の最も古いものが残っている与謝郡伊根町の浦嶋神社。本来の名は宇良神社といい、天長2年(825)に創祀(そうし)された。

 「丹後国風土記」によると、領主の浦嶋子(うらのしまこ)が釣りに出かけたが3日3晩たっても魚は釣れず、五色の亀が釣れた。浦嶋子が居眠りをしている間に亀は美しい乙姫の姿になり、常世の国へ連れて帰り一緒に暮らしたというもので、その後は知られている通りの物語。亀を助けたというおとぎ話とはいささか違っている。

 幹回りが4、5メートルはあろうかと思われる大木に囲まれた境内に、華美でも豪華でもなく簡素で慎ましやかな小さな拝殿と本殿がある。

 それだけに古い伝統がしのばれ、由来となっているのが、親しまれてきたおとぎ話であることがふさわしく感じられる。

 この宇良神社は長寿、豊作、豊漁だけではなく、恋の神様としても深く信仰されているというのも身近でいかにも庶民的。

 本殿の右側にある宝物資料館には、古文書や能面などの社宝、大小二つの金蒔絵(きんまきえ)の箱の玉手箱、浦嶋明神縁起、乙姫が着ていたという小袖などの貴重な文化財の数々が展示されている。

 玉手箱は室町時代に作られた化粧道具入れで、櫛(くし)などが入っている。また、浦嶋明神縁起は14世紀前半に描かれた浦嶋伝説の物語の絵巻物で、毎年11月に公開されている。

 この地では亀との縁を大事にしていて、小学校の校章は亀の形をしているし、校歌には浦島太郎が登場する。

 神社の西にある雲竜山には、浦嶋子が玉手箱を開けた時にたなびいた白雲が滝になったと伝えられている「布引の滝」がある。水量の多い季節には落差が100メートルの滝が見られるそうだが、残念なことにこの日は水がなかった。

 国道178号を10キロほど北上すると経ケ岬、10キロほど南下すると伊根湾の舟屋群がある。

ルート
 京都縦貫自動車道を宮津天橋立ICで降りて右折。2キロ余り走り、ミップル手前の交差点を左折し国道176号へ。約5キロ地点の消防署手前の交差点を右折し、国道178号をおよそ31キロ走った所。