2014.03.05pickup02

瀬美庵織 一挙公開

七百石ギャラリーで

故梅原啓治さんの遺作

衣服や小物など200点

13日まで販売も

七百石町の七百石ギャラリーで瀬美庵織の作家梅原啓治さんの遺作展が開催された。13日まで。

着物やブレザー、小物などの作品と十倉さん(七百石町で)

黒谷和紙を横糸に使う独特の技法の織物「瀬美庵織(せびあんおり)」。これを考案して制作に心血を注いだ故・梅原啓治さん(享年95歳)の初の「遺作展」が、3日から七百石町の七百石ギャラリーで始まった。主催者は長女の十倉照子さん(72)=七百石町。平成22年に梅原さんが他界したあと、400点以上の遺作を受け継いだ十倉さんは『梅原啓治』という人物がいて、こんな作品を作っていたことを知って頂きたい」と願いを込めている。13日まで。

梅原さんが黒谷和紙を使った織物を作り始めたのは、京都短期大学事務局長を務めていた昭和51年。「綾部の産物で、綾部でないとできないものを」と、1台の織機を借り受け、独学で技法を確立した。

寺町の自宅の物置を改造して開設した工房の名は「瀬美庵」。すぐ横を小川が流れていたことから、フランス語の「セビアン(『素晴らしい』の意)」と掛けて命名。独自の織物を「瀬美庵織」と名付けた。

独特の縞模様と紙の風合いが特徴。「素朴な手触りで懐かしさを感じる」と本人が表現した作品は、第33回日本民芸公募展の日本商工会議所会頭賞受賞、府工芸産業技術コンクール入選、フランスの国際見本市への出展などを果たした。

「故郷綾部のために」と心が込められた作品を引き継いだ十倉さんは、3年が過ぎて「このまま持っておいても何にもならない」と感じ、親族と相談して遺作展を企画した。

展示品はブレザー、着物、帯、袖無羽織(そでなしばおり)などの大きな作品が約20点。また翁袋(おきなぶくろ)や財布、小物入れ、草履、ネクタイなどの小物も含めると200点以上。

梅原さんについて十倉さんは「体調を崩した晩年も綾部から離れず、最期まで綾部にこだわった人だった」と振り返り、「独学で何もないところから作り上げた。独特の色遣いも素晴らしい」と亡父を偲(しの)ぶ。

展示品は800円から2万円台までの価格で販売も行う。経費を除く収益の使途はまだ決めてないが、文化振興などに活用したいと考えているという。

開館時間は午前11時~午後5時(水・土曜は休み)。入場無料。

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