2013.10.14pickup02

水際で詐欺被害防げ

綾部署が京銀支店で訓練

詐欺被害防止の訓練

行員らが見守る中、被害者役の署員の説得を試みる湯川事務長(左)=駅前通で 

 「特殊詐欺」(振り込め詐欺や還付金詐欺など)の被害が今年急増する中、綾部署は11日、駅前通の京都銀行綾部支店(山本博義支店長)で、詐欺被害に遭う直前の来客を説得する「声掛け」の方法などを行員らに指導した。

 府全体の今年の特殊詐欺の被害額は約4億5千万円で、昨年から倍増。綾部署管内でも今年だけで2件(被害額約628万円)発生している。そこで同署は隔月の年金支給日に当たる10月15日を前に、金融機関の協力を得て訓練を実施した。

 この日は、署員が特殊詐欺の被害者に扮して窓口を訪れ、行員が実際に対応する形で訓練を開始。「会社への投資で500万円を出金したい」との依頼に対し、シナリオを知らされていない湯川完事務長は「送金先の会社は確認したか」「送金方法は」などと詐欺被害を見分けるキーワードを持ち出して状況を確認。「ゆうパックで送金するよう言われた」「『必ずもうかる』とパンフに書いてある」などと話を聞き出すと、それらが詐欺の典型的な手口であることを説明して説得に成功した。

 被害者役の署員が「私は騙(だま)されていない」と粘って説得に苦労する場面もあったことを受け、綾部署の水野哲二生活安全課長は「時間をかけて説得するために相談場所や対応者を代えるのもコツ。怪しいと思ったら警察へ通報してほしい」などとアドバイス。山本支店長は「銀行窓口は被害に遭う前の最後の水際。各行員が感性を大事にして詐欺被害に気付けるよう心掛けたい」と話していた。

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