2013.08.28pickup01

市立病院の「がんサロン」

公開講座で闘病体験談も

市立病院で「がんサロン」の公開講座が開かれ、がん患者やその家族など20人が参加した。

「がん患者さんの辛さ」と題して話をする畑医師(青野町で)

 青野町の市立病院(鴻巣寛院長)で26日、「がんサロン」の公開講座が開かれ、がん患者と家族や福祉関係者など約20人が参加し、がん患者の体験談に耳を傾けるなどした。

 昨夏、「府がん診療推進病院」に指定された市立病院では、医師や看護師、栄養士、薬剤師、社会福祉士といった職員らで「市立病院がんサロンワーキンググループ」を組織。今年2月から隔月でがんサロンを開いている。

 がんサロンは、がんで悩み苦しむ患者や家族の人たちに、少しでも病気のことを理解してもらうための勉強会。同じ境遇にある患者同士が交流して、前向きな気持ちになってもらいたいという思いもある。

 6月までの3回は、患者と家族を対象にがんサロンを開いてきたが、今回は一般の人たちにも関心を持ってもらえるように、初めて公開した。

 今回のサロンで大阪府豊中市に住むがん患者の男性(68)は、自身の闘病生活の体験を語った。この男性は3年前、口内炎が治らないことから病院で診察を受けると、口腔底がんと喉頭がんが同時に見つかった。

 闘病生活を送る中、胃がんと肺がん、大腸がんにも侵されていることが判明。男性は入院中、病室で他のがん患者らが暗い話をすると自分の気持ちも滅入る悪い環境を変えようと、明るく前向きな気持ちで人と接することにしたという。

 「私なんか5つもがんが出来たけど、この通り生きてる」。がんで悩む患者に対し、笑顔で励ました。

 このあと、市立病院精神科の畑譲医師が「がん患者さんの辛さ」と題して話をした。

 がん患者の精神状態について「うつになったり、不安を抱える人が多い」という畑医師は、患者を支える人たちに対してどのように手を差し伸べれば良いかについてアドバイスをした。

 市立病院では次回のがんサロンを10月28日午後2時から開く予定(非公開)。問い合わせは、同病院のがん相談支援センター(電話43・0123代表)の大槻さんへ。

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