「万願寺」のフードシステムを報告
京大農学部の学生たち
昨年度に綾部で調査
京の伝統野菜「万願寺とうがらし」をテーマに京都大学農学部の学生たちが昨年度、綾部市内などで行った調査結果の報告会がこのほど、鍛治屋町の市里山交流研修センターで開かれた。
京大大学院農学研究科の新山陽子教授がNPO法人里山ねっと・あやべの理事長を務めていることもあり、農学部の2回生たちは綾部市内で毎年テーマを変えて、農業に関する調査に取り組んでいる。
今回、学生5人は万願寺とうがらしが生産者から消費者へ届くまでの「フードシステム」について発表。「万願寺甘とう」の商標名でJA京都にのくにを通じて出荷されている流通の様子などを説明した。
京都の市場で他府県産の万願寺とうがらしの出荷が増えていることに対し、学生たちは解決策として京都府内での「ブランド産地の拡大」を提案した。
学生の報告を聴いた生産農家からは、「我々は良いものを作ることに専念し、これまで消費戦略について考えたことがなかった」「甘とうを他の産地のものと一緒にしてほしくない」といった感想も出ていた。