奈良時代の役所跡か?
市教委 綾部バラ園南側で発掘調査
青野町の綾部バラ園南側のグンゼ所有地(約330平方㍍)でこのほど、市の都市交流拠点施設建設に伴う事前発掘調査が行われ、奈良時代前後の何鹿郡の郡衙(ぐんが)(当時の役所)の建物群の一部と見られる掘立柱建物跡などが見つかった。
青野・綾中地区は古代の郡衙があった地域。今回の調査地の南約160㍍地点では、飛鳥時代の役所の中核施設と見られる大型の建物跡が見つかっている。
今回の調査は5~7月に行われ、6棟の掘立柱建物跡や土坑墓など、古墳時代から鎌倉時代までの様々な遺構や遺物が発掘された。
市教委によると、中でも建物跡6棟のうち5棟は奈良時代前後のもので、一部の建物は2間×3間、柱穴が直径70㌢の大型。各建物の向きがそろっていることから、郡衙の建物群の一部の可能性があるという。
また柱穴から、鍛冶用の道具や製鉄の残りかすなども見つかり、郡衙の中心施設ではなく、工房群の一角だった可能性もある。
現在、郡衙の中心と考えられている場所より北側で大型の建物跡が見つかったのは初めて。何鹿郡衙の全容解明に向けた重要な資料になるという。
一般向けの現地説明会は行わずに遺構は埋め戻し、来春には現地に、市都市交流拠点施設が建てられる。